原題 ; FAUSTINE ET LE BEL ETE(1971)
 監督 ; ニーナ・コンパネーズ
 脚本 ; ニーナ・コンパネーズ
 音楽 ; ブルーノ・リゲット
 共演 ; ミュリエル・カタラ、ジョルジュ・マルシャル、モーリス・ガレル
未見の作品。「アデルの恋の物語」以前のイザベル・アジャーニ出演作で唯一の日本劇場公開作品。
ヒロインが成長していくひと夏を描いた青春ドラマ。
大まかなストーリーは以下のようなものらしい。
パリに住む16才の夢見る少女フォスティーヌ(ミュリエル・カタラ)は、ひと夏を祖父の田舎で過ごすことになる。
そこでフォスティーヌは、ジャンとジュリアンという大学教授兄弟の家族と知り合う。
ジャンには二人の息子、そして再婚した若妻との間に出来た6才の娘がいる。
ジュリアンは二人の娘がいて、離婚後再婚していない。
フォスティーヌは一家に興味を覚え、一家の人々の人生模様を観察しはじめる。
ジャンの息子ジョアキムはフォスティーヌに想いを寄せるが、彼女はジュリアンにあこがれる。
ジョアキムの弟は、それほど歳の離れていない継母に恋している。
ジュリアンの娘マリアンヌは、町で出合った若者と恋に落ちた。
やがてフォスティーヌは夢と現実の違いに目覚め、大人への一歩を踏み出していく。
女流脚本家ニーナ・コンパネーズの初監督作品。女性らしい視点が生かされ、瑞々しい感性を持つ作品に仕上がっているらしい。
イザベル・アジャーニが演じているのはカミーユという名の少女で、初々しい魅力を発揮しているとのこと。
主演のミュリエル・カタラは、その後活躍することなく消えてしまったが、本作にはアジャーニの他にも、イザベル・ユペール、ナタリー・バイというフランス映画を支える存在となる女優が脇役で出演している。その点でも一度見てみたい作品と思う。
また、「アデルの恋の物語」以前のイザベル・アジャーニ出演作の中には、アジャーニがタイトルロールを演じたテレビドラマ「オンディーヌ」というのもあるらしい。これも見てみたい一編である。

夏の日のフォスティーヌ