2002年邦画ベストテン
 1.阿弥陀堂だより
 2.リターナー
 3.海は見ていた
 4.たそがれ清兵衛
 5.猫の恩返し
 6.ミスター・ルーキー
 7.とらばいゆ
 8.トリック
 9.OUT
10.助太刀屋助六
映画館で見た邦画は15本だった。このところ毎年この程度の本数で、ベストテンが選べるか不安になるのだが、選んでみるとそれなりに良い作品が揃った。
それでも、せめて「ハッシュ」「ピンポン」くらいは見ておきたかったけど見逃してしまった。残念!
1位の小泉堯史監督は今、日本で最も美しい映画を撮る監督ではないかと思う。都会を離れることのない私みたいな人間には恵みのような作品だった。
2位は、徹底したエンタテインメント指向が大好きな作品。前作「ジュブナイル」は「インデペンデンス・デイ」+「どらえもん」という印象だったけど、今回は「ターミネーター」「マトリックス」「スーパージェッター」etc..へのオマージュを感じた。次回作では、ぜひ完全オリジナルの世界を披露してほしい。
3位から6位までは、ほぼ同順位。その日の気分で順番が変わってくると思う。
3位は見応えのある骨格の太いドラマ。ここ数年、優れた時代劇が増えてきたが、うち3本に黒澤明が関わっている。さすがだ。
4位は山田洋次監督らしい丁寧な演出で、主役の二人も良かった。サラリーマン化した武士の悲哀もよく出ていたと思う。
5位は、宮崎駿監督作品とは違った味わいで楽しめた。後半のスピーディなアクションも良かった。
6位は「少林サッカー」ほどではないけど、見ていてけっこう盛り上がった作品。野球には詳しくないのでリリーフ・ピッチャー一人の活躍で優勝できるのかどうか分からない。タイガースが優勝するのだからファンタジー映画と考えるべきなのだろう。
7位は洒落た会話と主人公が女棋士という設定が面白かった。
8位はTVシリーズが大好きなんだけど、映画版は期待が大きすぎたか上位には入らなかった。事件の真相を犯人が語ってしまうのも物足りなかった。
9位は原作は読んでいないのだが、TV版が印象的だったので、つい比較しながら見てしまった。映画版は、キャスティングの厚みで勝っているし、ブラック・ユーモアの感覚も良かった。ただ、結末についてはTV版のほうが面白かった気がする。
10位は、岡本喜八監督らしい軽妙さの生きた作品。ラストはよくあるオチで、途中で分かってしまうが見ていて気分がいいし悪くない。主人公二人の年齢設定には、さすがに無理を感じたけど。