2006年邦画ベストテン
 1.フラガール
 2.かもめ食堂
 3.椿山課長の7日間
 4.明日の記憶
 5.時をかける少女
 6.博士の愛した数式
 7.武士の一分
 8.タイヨウのうた
 9.ザ・有頂天ホテル
10.幸福のスイッチ
映画館で見た邦画は53本。たいした本数ではないが、2002年が15本だったことを思うとかなり充実した。
邦画バブルなんて言葉もあるらしいが、今年も優れた作品が公開されることを願っている。
1位は、ストレートな作り方が成功した今年の邦画で屈指の感動作。なんといっても蒼井優の魅力にあふれていたし、親友役の徳永えりも良かった。
2位は、フィンランドを舞台にしたハートフル・コメディ。大きな事件が起きるわけではないのだが、人と人との触れあいの輪が次第に広がっていく様子が、ほのぼのとしたタッチで描かれ、良い気分にさせてくれた。
3位は、ストーリー・テリングに優れた作品。登場人物の一人一人が魅力的に描かれ、完成度の高い人情コメディに仕上がっていた。
4位は、堤幸彦監督が、これまでにないオーソドックスな演出で手がけた作品。細かい出来事を丁寧に積み重ねて描いている。自分や身近な人間にも起こり得る事象であるため、ある意味下手なホラーより恐くて哀しい。
5位は、展開のテンポがすごく良くて一気に見終わった。劇中で時間を繰り返せば繰り返すほど、今という時のかけがえのなさが伝わってくる。瑞々しい青春ドラマとして完成している。
6位は、小泉堯史監督は清冽な演出が光る作品。寺尾聡の演技が見事で、数学という無機質なものに心を込めて、命あるもののように感じさせていく博士の生き方が魅力的に描き出される。
7位は、盲目になった毒見役の武士と妻の愛憎をじっくりと描きこんだ作品。主役二人も頑張っていたが、笹野高志の好演が光っていた。
8位は、青春映画としても恋愛映画としても音楽映画としても、完成度の高い作品。演出も丁寧なのだが、なんといっても歌と演技に新鮮な魅力を発揮したYUIによるところが大きいと思う。
9位は、三谷幸喜監督がグランドホテル形式で描いたコメディ。前2作も賑やかな顔ぶれだったが、今回は一層豪華なキャスティングになっている。大勢の登場人物をきっちりと整理して、大晦日の混乱ぶりを鮮やかに点描する手腕はさすがだと思った。
10位は、キャスティングの良さで魅力ある作品に仕上がっている。上野樹里が今までの役柄と異なるひねくれた性格のヒロインをうまく演じていた。