2006年洋画ベストテン
 1.トンマッコルへようこそ
 2.クラッシュ
 3.玲玲の電影日記
 4.カサノバ
 5.ユナイテッド93
 6.リトル・ミス・サンシャイン
 7.スタンドアップ
 8.麦の穂をゆらす風
 9.プロデューサーズ
10.トゥモロー・ワールド
昨年、映画館で見た洋画は79本。邦画に押されるかたちで去年より6本減ってしまった。
今回初めて韓国映画をトップに選んだ。朝鮮戦争のさなか、浮世ばなれした寒村で心を通わせる兵士たちの姿が戦争の空しさを描き出していた。
2位は、歪んで危険に満ちた社会で生死を分ける多くの登場人物たちを描いた完成度の高い群像ドラマだった。
3位は、映画をテーマに孤独な少女の半生を描いた作品。孤独な人生を送っていたヒロインの過去が、運命的な偶然で甦っていく。切なさに満ちた感動作だった。
4位は、ラッセ・ハルストレム監督待望の新作。ドタバタの中にも権力悪に対する風刺精神がきっちり盛り込まれている。カサノバが自らの呪縛を逃れていくのが、いかにもハルストレム監督作品らしかった。
5位は、ドキュメンタリー・タッチの映像だが、カット割りを細かく刻んで緊張感ある作品に仕上がっている。ドラマ性を廃した特殊な作りであるにも係わらず、ラストまで一気に引っ張っていく力を持っていた。
6位は、ブラック・ユーモア満載なのに、明るい気分にさせてくれる作品。問題点は何も解決されずに終わるのだが、これでいいのだ、という気分にさせられてしまった。
7位は、演出が丁寧だし、なんといってもシャーリーズ・セロンの力強い演技が魅力。三代にわたる家族の絆を描いたドラマとしても見応えがあった。
8位は、初めて映画館で見たケン・ローチ監督作品。民族のためのはずの戦いが、味方同士の殺し合いに落ちていくさまを描いた力作。
9位は、メル・ブルックス監督初期作品をミュージカル化した舞台の映画版。オリジナル作より今回のほうが終盤の展開が丁寧に描かれ、余韻を残す出来栄えになっている。
10位は、派手な特殊効果を使わず、ダークな世界観をハードボイルド・タッチで描いたSFサスペンス。ひたすら主人公の行動を追っていき、細かい説明を省いた演出が面白かった。