2007年洋画ベストテン
 1.善き人のためのソナタ
 2.ミス・ポター
 3.ドリーム・ガールズ
 4.ホリデイ
 5.ヘアスプレー
 6.ヘンダーソン夫人の贈り物
 7.世界最速のインディアン
 8.パンズ・ラビリンス
 9.アポカリプト
10.俺たちフィギュア・スケーター
昨年、映画館で見た洋画は86本。’05年の記録を更新した。それなりに面白い作品はいろいろあるのだが、ベスト・テン級となると物足りない一年だった。
1位は、ベルリンの壁崩壊前の東ドイツを舞台に、政府の監視者がターゲットとなる危険思想の芸術家に影響を受けていく姿を描いた秀作。ラストのセリフが見事に決まって、鮮やかな印象を残した。
2位は、ピーター・ラビット生みの親の伝記映画。レニー・ゼルウィガーがチャーミングなヒロインを演じる。アニメ合成で「ネバーランド」とはひと味違った創作の楽しさを伝えていた。
3位は、舞台を映画化した業界物ミュージカル。曲の良さと力強い演出で見せてしまう作品。迫力ある歌唱を披露するジェニファー・ハドソン(何かに歌の上手いジャイアンとか書いてあった)が強い印象を残す。B級スターを演じたエディー・マーフィーも好演。
4位は、休暇で住む家を交換したことから、新しい人生に踏み出していく二人のヒロインを感動的に描いた、いかにもハリウッドらしい良作。イーライ・ウォーラックが良い味を出していた。
5位は、脳天気ではあるが、痛快な楽しさを持ったミュージカル・コメディ。主演のニッキー・プロンスキーがハマリ役で、脇を固めるアマンダ・パインズ、ジョン・トラボルタ、クリストファー・ウォーケンも好演。
6位は、実在の人物をモデルにイギリス初のヌード・ショーを敢行した老婦人を描く。ジュディ・デンチの名演が圧巻だが、意外と押さえた演技のボブ・ホスキンスも良かった。イギリス人の心意気を感じさせる作品。
7位は、これも実在の人物をモデルにしたロード・ムービー。少々変わり者だが憎めない主人公を演じたアンソニー・ホプキンスの魅力が光っていた。
8位は、独特な雰囲気を持つダーク・ファンタジー。果たして少女の幻想だったのかどうかを明確にしないところが余韻を持たせていた。
9位は、マヤ文明末期を舞台に描いた力強いアドヴェンチャー。迫力ある映像で、キャラクターの個性もきっちり押さえられていた。
10位は、なんかフィギュアスケートに見えない気もしたけど、熱いおバカ映画魂を感じた作品。ウィル・フェレルのゴツい顔立ちが生きていた。クンフー映画の必殺技みたいな決め技も笑える。
下位のほうは、それほど決め手がなく、その日の気分によっては「ハッピー・フット」「シッコ」「厨房で逢いましょう」「ブラッド・ダイヤモンド」「女帝エンペラー」といった作品と入れ替わる可能性がある。