原題 ; HELL IS FOR HEROES(1962) |
監督 ; ドン・シーゲル |
脚本 ; ロバート・ピロッシュ、リチャード・カー |
音楽 ; レナード・ローゼンマン |
出演 ; スティーヴ・マックィーン、ボビー・ダーリン、ハリー・ガーディーノ |
小品ながらドン・シーゲルの歯切れ良い演出が活き、見応えのある戦争アクションとなった。 1944年フランスのモンティニー、ジークフリード要塞の近くに連合軍が駐屯していた。 コービー(ボビー・ダーリン)は調子の良い何でも屋、ヘンショー(ジェームズ・コバーン)は機械いじりが得意、ポーランドの非軍人ホーマー(ニック・アダムス)もいた。 そこにリース(スティーヴ・マックィーンが送られてくる。妙に愛想の悪い男だ。軍機違反を犯して酒場に飲みに行ったりする。 リースはパイク軍曹の昔馴染み。殊勲十字章を受けた猛者で以前は一等曹長だったが、軍法会議で降格されていた。 アメリカ帰還の噂に反して隊に前線復帰の命令が下る。 他の分隊は友軍の応援に移動、敵のトーチカを前に彼らだけで守ることになる。 そこにジープで通りかかったタイプ兵ドリスコルを無理矢理加えた。 ジープが目当てだ。人数が少ないことをごまかすため、ヘンショーがジープに細工して戦車がいると敵に思わせる。 夜になり斥候が出ないと疑われるというので、あれこれ偽装を重ねる。 不審なワイヤが見つかり、たどっていくとマイクが仕掛けられていた。これを逆用してニセ電話を聞かせ撹乱する。 敵の夜襲を受け戦闘となる。火炎放射器も使って、どうにか退けたがカンバリーが死んでしまう。 逃げ帰った敵兵の報告から員数不足を知られてしまったに違いない。リースは先手を打ってトーチカを攻撃することを提案する。 生き残るには攻撃するしかないというのだ。 だが、上司のラーキン軍曹(ハリー・ガーディーノ)は命令がないと言って攻撃を認めない。そのラーキンが敵の爆撃で死んでしまう。 リースはヘンショー、コリンスキーを率い、夜陰に乗じてトーチカに這いよっていく。 トーチカ周辺は地雷原。慎重にマークしながら進む。 ヘンショーが地雷に触れてしまい爆発。さらに背負った火炎放射器の燃料に引火したため爆死してしまう。 気づいた敵が銃撃してきた。連合軍の応援の部隊も到着して激しい戦闘となる。 撤退の途中、コリンスキーも弾を受け、助からなかった。 リースは独断での行動を叱責され、軍法会議にかけられることになる。 夜が明けトーチカに対する攻撃が開始された。 トーチカ周辺では狙い撃ちされて次々と兵士が倒れていき、なかなか攻略することが出来ない。 意を決したリースは爆薬を手に走り出す。 無事トーチカに辿り着いたリースは爆薬に点火して投げ込む。だが、戻る途中で銃弾を受けてしまった。 瀕死のリースは、トーチカから爆薬が投げ出されるのを見てフラフラと近づいていく。 倒れこむように爆薬をトーチカに戻した瞬間爆発する。 リースの犠牲でついにトーチカは攻略されたのだった。 トーチカに対する攻略戦が強く印象に残っていたのだが、久しぶりに見直したら終盤だけで、大半は小人数しかいないことを敵に悟られまいとするあの手この手の作戦が描かれていた。 いずれにしても低予算の中で面白い作品を作ろうという苦心が感じられる。 スター映画というわけではないのだが、いつになく強面で目をギラつかせたスティーヴ・マックイーンは迫力がある。 マックイーンを引き立たせるためか、今回のコバーンはメガネをかけ珍しく野暮ったい印象の役作りをしている。長すぎる手足が災いしたか地雷に接触してしまい、背負った火炎放射器ごと炎上して戦死してしまう。 |