原題 ; MAJOR DUNDEE(1965)
 監督 ; サム・ペキンパー
 脚本 ; ハリー・ジュリアン・フィンク、オスカー・ソール、サム・ペキンパー
 音楽 ; ダニエル・アムフィサトロフ
 出演 ; チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリス、ジム・ハットン、センタ・バーガー
南北戦争も末期のころ、北軍のダンディー少佐(チャールトン・ヘストン)は全滅した中隊の仇を打つため、北軍塀だけでは足りず南軍の捕虜や犯罪者からも志願兵をつのってアパッチの酋長チャリバ追跡を開始する。
その中には南軍のタイリーン大尉(リチャード・ハリス)も加わっていた。タイリーンは自分を有罪にしたダンディー少佐に恨みを抱いており一旦は要請を断ったが、アパッチ討伐終了まで一時的に手を組むことにしたのだ。
隊は、河で待ち伏せされた最初の戦闘で三分の一の兵と七割の装備を失ってしまう。
一行は、補給のためメキシコの村を占領しているフランス軍を襲撃。解放され食料がいきわたったことで村人からは感謝されるが、十分な武器は入手できなかった。
ダンディー少佐はフランス軍の捕虜を解放し、おびき寄せたフランス本隊のキャンプを夜襲して武器と馬を奪う。
村娘をくどきに隊を抜け出した南軍兵をダンディー少佐が脱走兵として処刑させたことから隊は分裂、士気は下がり始める。
その上ダンディー少佐はサンチャゴ(センタ・バーガー)とのデート中にアパッチに襲われ負傷してしまう。
負傷して戦意を失い酒におぼれるダンディー少佐を好敵手タイリーン大尉が立ち直らせ、追撃が再開される。
チャリバたちはダンディー少佐のキャンプを夜襲するが実は罠で、逆にアパッチを包囲して殲滅、チャリバもあっさり撃ち殺される。
アパッチ討伐も終わり,、いよいよダンディー少佐とタイリーン大尉宿命の決闘というところに追撃してきたフランス軍が到着。河の中で戦闘になり、タイリーン大尉は奪われた星条旗を取り返してダンディー少佐に渡したところを背中から撃たれてしまう。死を覚悟したタイリーン大尉は敵軍に突っ込みダンディー少佐との対決を果たすことなく戦死する。
ダンディー少佐やポッツたち生き残った者たちは意気揚々と帰国するのだった。
残念ながら「キラー・エリート」「バイオレント・サタデー」など気に入らない雇われ仕事は、やっつけ仕事で終わらせてしまうサム・ペキンパー監督の気性が出てしまった作品。斥候の一人は裏切り者かなんて話はうやむやに終わるし、肝心のチャリバとの対決も気の抜けたシーンになっている。
ジェームズ・コバーンは片腕のインディアン・スカウト・ポッツを演じた。頼りになる役柄ではあるが、これといった見せ場はなかった。
余談=ペキンパーはプロデューサーと衝突して編集権を奪われてしまった。原因は、上映時間をめぐってとも、ラストの展開をめぐってとも伝えられている。作品を見るとミッチー・ミラー合唱団のコーラスによるダンディー少佐マーチで始まるスター映画としての古典的ヒーロー・ウェスタンを望んだ製作者側と、よりリアルな群像活劇を目指したペキンパー監督とは、根本的に相容れないものだったのではないかと思えてくる。製作側への反発からか主人公ダンディー少佐はあまり魅力的に描かれず、そのためタイリーン大尉がやけに儲け役となっている。
ダンディー少佐