原題 ; WATERHOLE #3(1967) |
監督 ; ウィリアム・グラハム |
脚本 ; ジョセフ・T・スティック、ロバート・R・ヤング |
音楽 ; デイヴ・グルーシン |
出演 ; キャロル・オコンナー、クロード・エイキンズ、マーガレット・ブライ |
製作は「地上最大の脱出作戦」で組んだ監督のブレーク・エドワーズ。タイトルは隠し井戸だが、実際は砂漠地帯に点々とある水場で井戸は出てこない。 新しいタイプのウェスタン・コメディを目指した作品だが、ジェームズ・コバーン以外のキャスティングが平凡で悪くはないが決定的な魅力には欠いた作品となってしまった。 ジェームズ・コバーンとしては持ち味の軽妙さを生かして、なかなかの好演だったのだが。 ナレーションの代わりにロジャー・ミラーのカントリー・ウェスタン・ソングが流れるのが特徴だが、1965年にジェーン・フォンダとリー・マービンが共演した快作「キャット・バルー」がすでに同趣向を使った後だったので、この点もあまり評価されなかった。 音楽担当のデーヴ・グルーシンとしては珍しいカントリー・ウェスタン曲となっている。 軍が輸送してきた金塊が盗まれてしまう。見張りに当たったフォガース軍曹(クロード・エイキンズ)が手引きしたのだ。 流れ者のギャンブラー、ルートン・コール(ジェームズ・コバーン)は、犯人の一人が持っていた札にインテグリティ、第3水場と記れているのを目にする。 その男に決闘を挑まれたコールは、ライフルで撃ち殺してしまう。 コールは、何が隠してあるか知らずにインテグリティ町へと向かう。さっそく彼は、馬を奪うために保安官コップラッド(キャロル・オコンナー)を銃で脅して留置場に閉じ込める。 馬を奪うついでにコールは、納屋に卵を取りに来たコップラッドの娘ビリー(マーガレット・ブライ)をモノにしてしまう。 娘を犯されたことよりも自分の愛馬を盗まれたことに激怒したコップラッドは、砂漠に入ったコールをラバで追いかける。 コールが忘れられなくなったビリーも一日遅れでコールを探しに飛び出す。その頃コップラッドはラバに振り落とされて悪戦苦闘。 水場に沈められていた金塊の箱を見つけたコールは、追ってきたコップラッドに銃を突きつけられる。コールに手錠をかけ、金塊を運ぶコップラッド。 そこにフォガース軍曹が配下を率いて襲ってきた。 コールたちは金塊を奪われ、縛られて砂漠に置き去りにされる。二人はビリーに助けられた。一頭の馬に三人乗りでフォガース一味を追う。 一足先に町に着いたフォガースは、ラヴィニア(ジョーン・ブロンデル)の売春宿を借り切って有頂天。コールとコップラッドは銃を手に入れてホテルで待ち伏せる。 翌朝、フォガースの手下ヒルブは金塊を独り占めにしようとするが、カバンを撃ち落され手ぶらで逃げていく。 フォガースは売春宿に立てこもる。コールとコップラッドは派手な銃撃戦を展開。 ドサクサ紛れにフォガースの部下ベンが金塊を持ち出した。彼はラヴィニアにそそのかされたのだ。 フォガースは降伏したが、ベンは馬で逃走。今度は三人で追いかける。ベンは軍に逃げ込んだ。 コールとフォガースはベンを首謀者に仕立て上げ、自分たちは金塊強奪計画を阻止しようとした英雄だと説明する。 ところが金塊は石にすりかえられていた。軍隊は本物の金塊を探しに出動する。その隙にビリーはベンを口説いて金塊の隠し場所を聞きだす。 それに気づいたコールはビリーに言い寄る。彼は裸のビリーを置き去りにして金塊を持ち逃げ。そこにコップラッド、フォガースにベンとラヴィニア、軍隊が集合。 メキシコへと馬を飛ばすコールの後を、大勢の者が馬で追い始めるのだった。 スブラスティック・コメディを狙ったようなラストだが、いまひとつノリが悪いのが残念。 余談=監督のウィイアム・(A)・グラハムは基本的にはテレビ界の人らしい。数多くのテレビ・シリーズやテレフューチャーを手がけ、今も現役のようだが代表作と呼べる作品はない。一番知名度の高い作品はミラ・ジョヴォヴィッチ主演の「ブルー・ラグーン」あたりではないかと思うのだが評価は低い。とすれば本作はグラハム監督の最高作なのかもしれない。 |