原題 ; DUCK YOU SUCKER(1971) |
監督 ; セルジオ・レオーネ |
脚本 ; ルチアノ・ヴィンセンツォーニ、セルジオ・ドナティ、セルジオ・レオーネ |
音楽 ; エンニオ・モリコーネ |
出演 ; ロッド・スタイガー、ロモロ・ヴァッリ、マリア・モンティ |
原題は「伏せろ、バカ」。他にも「ONCE UPON A TIME...THE REVOLUTION」「A FISTFULL OF DYNAMITE」など多数のタイトルがある。 1912年のメキシコを舞台に山賊と革命家の友情を描いた異色のアクション映画。 公開当時は見向きもされなかった作品だが近年再評価されてきたのは嬉しい限り。 山賊のファン・ミランダ(ロッド・スタイガー)は駅馬車を襲撃。 身ぐるみ剥いだところに遠方で爆発音が。 奪った馬車で行ってみるとオートバイの男(ジェームズ・コバーン)が走ってきた。 銃を向ける山賊たちにも平気な顔の男は、全身にダイナマイトを巻きつけニトログリセリンのビンまで携帯していた。 ファンは男に「メサ・ヴェルデ銀行」という後光が射して見えた。 持っていた新聞から賞金首のアイルランド人革命家ジョン・マロリーと分かり、ファンはマロリーと組んで銀行を襲おうと考えた。 田舎物の山賊であるファンには、町のメサ・ヴェルデ銀行襲撃が長年の夢だったのだ。 マロリーはファンの申し込みを拒絶、怒ったファンはバイクを銃で破壊するが、マロリーは仕返しに馬車を爆破して立ち去る。 マロリーが廃墟で寝ていると何者かが忍び込んできた。 爆弾を仕掛けて様子を見るマロリー。そこにファンが現れて起爆装置を押してしまった。 ファンが政府軍をだまして連れて来たのだった。 ファンと行動を共にするかに見えたマロリーだったが列車とすれ違った隙に飛び乗って姿をくらましてしまう。 ファンたちもメサ・ヴェルデへと向かった。 だが、メサ・ヴェルデは軍事政権下、町中で軍による処刑が行われる不穏な街だった。 レストランでファンはマロリーに再会、そこはヴィエガ医師(ロモロ・ヴァリ)をリーダーとする反政府軍の隠れ家だった。 ファンは銀行を襲うと聞いて反政府軍と手を組む。 マロリーが入口を爆破、山賊たちは銀行へと突っ込んでいく。 政府軍と戦闘の末、地下金庫へと辿り着くが、そこには政治犯たちが捕らえられていた。 金はすでにメキシコシティへと移送され、銀行は収容所となっていたのだ。 まんまとマロリーに乗せられたことを知って悔しがるファン。 ルイス大佐(アントワーヌ・ドミンゴ)率いる政府軍の追撃を受けた反政府軍は撤退を決めるがマロリーとファン一族は残って抗戦の構えを取る。 ついに政府軍が現われ戦闘となるが機銃で奇襲をかけたマロリーたちの勝利となる。 だが、報復としてファンの息子たち六人を含む一族が皆殺しにされてしまった。 マロリーの静止も聞かず復讐に飛び出したファンはルイス大佐に捕らえられてしまう。 マロリーはイギリスでの活動中、仲間に裏切られ、その仲間を撃ったという過去を持っていた。 ファンの処刑が行われようとしたとき、聞き覚えのある口笛が聞こえてきた。 マロリーがダイナマイトで軍を混乱させオートバイで突入、見事にファンを救出した。 だが、軍事政権の圧政は強まるばかり、マロリーとファンはアメリカへの脱出を計画する。 二人が忍び込んだ列車に乗り込んできたのが政府軍のハメイ将軍。 列車は反政府軍の襲撃を受け、逃げようとする将軍をファンは撃ち殺す。 心ならずも革命の英雄となったファン。パンチョ・ビラも一目置く存在となってしまった。 そこに一千の兵を乗せた軍用列車が向かってくるとの知らせが入る。 マロリーは再会したヴィエガ医師をパートナーに軍用列車襲撃を計画する。軍用列車に別の列車を突っ込ませて正面衝突させようというのだ。 ヴィエガが政府軍に捕まり裏切ったことをマロリーは知っていた。 軍用列車に突っ込んでいく列車にヴィエガは残った。大破する軍用列車。 戦闘が開始されマロリーとファンは再会するが、マロリーはルイス大佐の銃弾に倒れてしまう。 マシンガンの全弾を打ち込んでルイス大佐を倒すファン。 助けを呼びにいくファン。だが、マロリーは自爆してしまう。巨大な火柱が立ち昇った。 ファンは呆然と立ち尽くすのだった。 アクション映画にしては、ゆったりとしたタッチで進んで行くので好みが分かれるかもしれない。 豪放で荒っぽい山賊ながら人の良さそうな面もある男を演じるロッド・スタイガーと、飄々とした風貌の裏に過去を背負い死に場所を求めているような男を演じるジェームズ・コバーン。主演二人にとってもレオーネ監督にとっても代表作の一つだと思う。 表情のアップとロングショットによる光景を巧みに使い分けたカメラワークも印象的だった。 余談=多作で知られる名手エンニオ・モリコーネだが、意外なことにジェームズ・コバーン出演作は本作のみ.。ユーモラスなタッチと哀愁あふれるメロディを巧みに使い分けた見事なスコアを書いている。 |