原題 ; THE CAREY TREATMENT(1972)
 監督 ; ブレーク・エドワーズ
 脚本 ; ジェームズ・P・ボナー
 音楽 ; ロイ・バッド
 出演 ; ジェニファー・オニール、パット・ヒングル、スカイ・オーブリー
未見の作品。
マイケル・クライトンがジェフリー・ハドソン名義で発表したデビュー作「緊急の場合は」の映画化。
コメディが得意なブレイク・エドワーズ監督としては珍しいサスペンス・アクション。
ジェームズ・コバーンにとっては「地上最大の脱出作戦」に次ぐエドワーズ作品だが、「荒野の隠し井戸」もブレイク・エドワーズ製作なので、ある意味三度目の付き合いとなる。
公開寸前に配給会社が営業規模を縮小したため、そのあおりを食らってお蔵入りしてしまった不運な作品。
映画自体の評価は並程度だったが、ジェームズ・コバーンのファッション・センスが光った作品とも言われた。
原作はアメリカ探偵作家クラブ賞を受賞しているのだが、すごく地味な印象の作品。
主人公も妻子持ちの病理医で地味なのだが、映画ではプレイボーイの外科医というキャラクターに変更された。
外科医のピーター・ケリー(ジェームズ・コバーン)は大学時代の友人で産科医のタオ(ジェームズ・ホン)のいる病院に赴任してきた。
早速、栄養士のジョージア(ジェニファー・オニール)といい仲になるケリー。
ところがタオが病院理事長の娘カレンに違法な中絶手術を施して失敗、出血多量で死なせたとして逮捕されてしまう。
無実を証明しようと捜査に乗り出すケリー。
検死に立会いカレンが妊娠していなかったことを知る。
ケリーは、タオが犯人と信じるカレンの兄ハーベイの襲撃を受けるが逆に取り押さえてカレンの交友関係を聞き出す。
寄宿学校でカレンと同室のリディア(ジェニファー・エドワーズ)からボーイフレンドのロジャー(マイケル・ブロジェット)の存在を知るピーター。
ロジャーに会ったケリーは事件の真相に気づきピアーソン警部(パット・ヒングル)に連絡しようとするが、ロジャーの車に電話ボックスごとハネ飛ばされてしまう。
怪我から回復したケリーは、ロジャーに刺されたという看護婦アンジェラ(スカイ・オーブリー)を脅して真相を白状させる。
麻薬中毒のアンジェラはロジャーと麻薬の売買をしていたが金がなくなり、ロジャーと共に300ドルでカレンの中絶を引き受けたのだ。
ところが手術を始めるとカレンは妊娠ではなく卵巣腫だった。
手に負えなくなったアンジェラはカレンを病院に送りつけたが間に合わず死んでしまった。
真相を知ったケリーが病室に戻って怪我の治療をしているとロジャーが襲ってきた。
ロジャーは駆けつけたピアーソン警部に射殺されるのだった。
映画らしく原作よりアクションを増やしてあるようなのだが出来栄えはどうなのだろうか。ぜひ見てみたい作品ではある。
殺しのカルテ