原題 ; THE STREETFIGHTER(1975)
 監督 ; ウォルター・ヒル
 脚本 ; ウォルター・ヒル
 音楽 ; バリー・デ・ボゾン
 出演 ; チャールズ・ブロンソン、ジル・アイアランド、ストラザー・マーティン
ウォルター・ヒルの監督デビュー作。赤や青の人工的なイルミネーションが輝く夜の都会を舞台としたドラマが多いヒル監督だが、この作品は少しイメージが違っている。
夜の場面は多いのだが描かれる時代が古いこともあってイルミネーションはなく、渋みを増した映像となっている。
寡黙でやたらと強い流れ者と、スチャラカだが憎めないマネージャーの友情が格闘アクションにしては落ち着いた雰囲気で描かれている。
流れ者のチャニー(チャールズ・ブロンソン)が、ニューオリンズの賭け試合会場へとやって来た。ストリートファイターのマネージャー・スピード(ジェームズ・コバーン)の元を訪れる。
チャニーは試合に出て、有り金の全て6ドルを自分に賭けるというのだ。
チャニーは一発で対戦相手をのしてしまった。
大喜びのスピードはチャニーに契約を迫るが、すぐには応じない。
チャニーはアパートを借り暮し始め、ルーシー(ジル・アイアランド)と知り合う。
ルーシーは失業中で、亭主は刑務所だという。
翌朝、チャニーはスピードと契約を結ぶ。
スピードは金貸しル・ボーから金を借り、大物プロモーター・チック(マイケル・マクガイア)の抱える最強の選手ジムと対戦しようとするが、準備金をつり上げられてしまう。
スピードは急遽野良試合にチャニーを出して資金を作ろうとするが、対戦相手のマネージャー・ベティボンに賞金を踏み倒されてしまう。
夜になってからチャニーは、ベティボンの元に殴り込んで金を払わさせる。
チャニーはルーシーを食事に誘う。彼はルーシーと家庭を持って落ち着いた暮らしがしたかった。
資金のできたスピードはチックと契約、金貸しの使いには2日後に返すと約束する。
いよいよジムとの対戦となる。さすがにジムは強かったが、チャニーはノックアウトを決めた。
チックはチャニーとの契約を申し込んでくる。
スピードはチャニーにチックの話を受けないかと相談を持ちかける。借金の取立てが厳しくなってきたのだ。
チャニーは憮然として立ち去った。
チックは新しい選手ストリートを呼び寄せてチャニーに試合を申し込む。
最初から賭け試合は一時だけと考えていたチャニーは、これを断る。
チックは、ル・ボーにスピードを捕まえさせ、チャニーに試合させれば借金を肩代わりすると脅す。
ルーシーは、職についている恋人ができたとチャニーのもとを去っていった。
いよいよ試合の日、チャニーは旅支度で試合場に現れた。
チャニーは自分の500ドルを賭けて試合を始める。
さすがのチャニーも苦戦するが、ついにノックアウト。
駅でチャニーは、スピードに試合の勝分を渡し猫の世話を頼むと無言で去っていった。
派手さはないのだが、格闘アクションの中で、しがない男たちの生き様が描かれた佳作となっている。
珍しくヒゲを剃ったブロンソン.。なかなか良い味を出しているのだが、恋人との描写は中途半端な印象。ジル・アイアランドを押し付けられたヒル監督が画面を削っちゃったんじゃないかと思えてくる。
コバーンはタイトルではブロンソンと同格に扱われているが、実際の役柄は脇でブロンソンをサポートする側に回っている。C調でイマイチ頼りないが憎めないキャラクターというのも、本作品以降得意な役柄となる。
ストリートファイター
ストーリーは基本的にラストまで
紹介してあります。
この作品はDVDが発売されているので
鑑賞が可能です。御注意ください。