原題 ; CALIFORNIA SUITE(1978) |
監督 ; ハーバート・ロス |
脚本 ; ニール・サイモン |
音楽 ; クロード・ボラン |
出演 ; マイケル・ケイン、ジェーン・フォンダ、ウォルター・マッソー、アラン・アルダ |
名戯曲作家にして脚本家のニール・サイモンと、彼と度々コンビを組んだハーバート・ロスによるコメディー。 残念ながら本作は、スタッフ、キャストの豪華なわりに不満の残る出来栄えとなった。 くだらないコメディーに出演したら、なぜかアカデミー賞にノミネートされてしまった英国のヴェテラン女優のダイアナ・バリー(マギー・スミス)と夫で古物商のシドニー・コクラン(マイケル・ケイン)。 ハンナ(ジェーン・フォンダ)とビル(アラン・アルダ)の別れた夫婦。 弟がこちらに住んでいるマーヴィン(ウォルター・マッソー)。 ドクター・チョーンシー(リチャード・プライア)とドクター・ウィリス(ビル・コスビー)とその両家族。 カリフォルニアのホテルを舞台として、以上4組の物語が描かれるのだが、どのエピソードも中途半端な印象に終っている。 4つのエピソードが全く別個に進行し、他の家族と絡まないのも寂しい。 ハンナの悩みは娘ジェニーの養育問題。どちらと暮らさせるか、新たな決断を迫られていた。 ダイアナはアカデミー賞受賞式を前に、少々ナーバスになっている。 一方、チョーンシーは連絡ミスで部屋が予約できていなかった。授賞式で満員のため、開いているのはトイレ修理中で水びたしの小部屋のみ。知らん振りで良い部屋に泊まるウィリスに、チョーンシーは腹を立てる。 結局、ダイアナは受賞を逃してガッカリ。シドニーと皮肉を言い合う。 このあたりがニール・サイモンの腕の見せ所。特別に洒落たやり取りとは感じなかったが、英語が分かれば評価が変わってくるのだと思う。 この演技でマギー・スミスはアカデミー助演女優賞を受賞した。英国アカデミー賞では主演女優賞にノミネート。全員助演と見るか全員主演と見るかって事なのだろう。 確かにイギリス女優らしい品格のあるコメディエンヌ振りを披露しているが、マギー・スミスはどの作品でもこの程度の演技はしていると思う。劇中のダイアナ同様に戸惑ったかも知れない。 ビルと話し合うハンナ、娘と暮らしたいと思う一方、自分が仕事優先の人間だと分かっているのだ。 マーヴィンが食事を終えて部屋に戻るとブロンド美女が。弟が気を利かせたつもりで手配したのだ。 シドニーは両刀使いで会場でも若い男優をナンパ。そんなシドニーだが、ダイアナは愛している。 ベッドで美女と目覚めたマーヴィンは、妻ミリー(エレイン・メイ)の到着時間が迫っていることに気づいて大あわて。ボトル一本空けたため、女が起きないのだ。 そうこうするうちにミリーが到着。マーヴィンは仮病を使ってごまかそうとするが、ミリーが寝不足でどうしてもベッドに入ろうするため、ついにマーヴィンは観念して真相を話す。 チョーンシーとウィリスは早朝テニスでもカリカリ。ウィリスの奥さんが足をひねって部屋に戻っても状況は悪化するばかり。ついには取っ組み合いを始める。 とりあえずマーヴィンは、高い買い物でミリーをなだめた。 結局ジェニーはビルと暮らすことになったが、空港にハンナを見送りに来てくれた。 全員が負傷して飛行場に向かうチョーンシーとウィリスの両夫妻。 機内で上映されるのは、またしてもダイアナがコバーンと共演したコメディ。思わず降りたくなるダイアナだった。 ジェームズ・コバーンは、冒頭飛行機内で上映されるダイアナ主演コメディーの共演者としてノー・クレジットでカメオ出演。初めてセスナを操縦して墜落しそうになり大あわてする男を楽しそうに演じている。ラストの機内アナウンスでは、ジェームズ・コバーン本人役だったことが分かる。「シーラ号の謎」でコンビを組んだ縁で出演したのかもしれない。 |