原題 ; HIGH RISK(1981)
 監督 ; スチュワート・ラフィル
 脚本 ; スチュワート・ラフィル
 音楽 ; マーク・スノー
 出演 ; ジェームズ・ブローリン、リンゼー・ワグナー、アンソニー・クイン
ジェームズ・ブローリンが「ジャグラー/ニューヨーク25時」に続いて主演。老後を年金で細々暮らすのはいやだというプア・ホワイト4人が一念発起、コロンビアの麻薬王から大金を奪おうとするノーテンキなB級アクション。
コメディ・タッチで緊張感には欠けるが、顔ぶれも意外と豪華だし気軽に見ていられる娯楽作。
ジェームズ・コバーンが麻薬王を演じたが、ゲスト出演程度で出番は少ない。
ストーン(ジェームズ・ブローリン)はロックニー(クリーヴォン・リトル)、ダン(ブルース・デーヴィソン)、トニーの3人と組み、密売人クリント(アーネスト・ボーグナイン)から武器を仕入れた。
野良犬軍団なんてタイトルが付いているが素人の集まり。クリントに扱い方を教えてもらい、ついでに記念写真を撮って出発。
コロンビアに乗り込んで麻薬王セラノ(ジェームズ・コバーン)の金を奪おうというのだ。金庫の番号も入手している。
なぜかロックニーは子犬を連れてたりしてて、ピクニック気分でパラシュート降下する。
なんと子犬は番犬のドーベルマンを誘惑するためのもだった。犬以外はまるっきり無防備な麻薬王の屋敷に塀を乗り越えて悠々侵入。
金庫の番号が変えられたため開けられない。セラノを捕らえて金庫を開けさせ、500万ドル以上を手に入れた。
使用人に見つかって逃げ込んだ先が闘牛場だったりするが、どうにか逃走。馬を手に入れてさらに逃げる。
朝になり追手が現れた。馬が撃たれロックニーとトニーが捕まってしまう。
セラノは、部下にロックニーを殴らせ、トニーに二人の居場所を吐かせる。
ストーンとダンは断崖の吊り橋を渡っているところを狙撃される。橋が落ちて宙吊りになるが、そのまま川に飛び込んで逃げのびる。
ロックニーとトニーが監禁された部屋の隣には、6ヶ月近く前から捕まっているというオリヴィア(リンゼー・ワグナー)がいた。
その頃、ストーンたちはマリアーノ(アンソニー・クイン)一味に捕まっていた。マリアーノは将軍だというが、ジプシーの族長みたいな感じ。
トニーたちは通りがかりの少年に助けを求め、身ぐるみ剥がれてパンツ一丁にされてしまう。少年がトラクターで壁を壊して脱出に成功。半裸で町を駆けずり回る。
娼婦と客の部屋に逃げ込み、ロックニーは仕方なく女装。オリヴィアと合流して3人で逃げることにする。
バスに乗ると助けてもらった少年がいたのでロックニーは服だけ返してもらう。時計も差し出す少年に、ロックニーが服だけでいいという仕草をする場面は、なかなか良い。
ストーンたちはマリアーノ一味に金を奪われたが、何とか逃げ出した。夜になって寝込みを襲い金を奪い返す。
再会を果たした仲間たち。湖で水浴びしていたところをマリアーノ一味に襲われダンが足を撃たれてしまう。
ストーンは交渉するふりをして時間を稼ぐが、結局銃撃戦になり、トニーとははぐれてしまう。
追撃してくるマリアーノ一味、そこにセラノと部下たちも登場。混乱の中、ストーンたちを迎える飛行機がやって来た。ストーンズの「サティスファクション」にのって機銃で敵を蹴散らして着陸する。
あわてて乗り込む4人。そこにトニーや犬もやって来た。
大金を奪って全員が無事生還、大喜びするのだった。
「奴らは充分裕福なのに」とこぼすマリアーノの姿で映画は終るが、セラノはどうなったのかすら分からない。多分別撮りでコバーンはクライマックス・シーンの撮影現場にいなかったのではないかと思う。
そこそこに見せ場はあるのだが、全体的に大味な印象の作品。
これを観たときには、ジェームズ・コバーンもジョージ・ケネディやロバート・ヴォーンのようにZ級映画世界の住人になってしまうかと思ったが、さすがはコバーン踏みとどまってくれた。
カメオ出演が多くなるが、作品はある程度選んでいたようだ。とは言うものの1996年にはデヴィッド・デコトー監督の日本未公開作「SKELETONS(1996)」なんてのに出演している。きっとくだらないんだろうなあ。でも観てみたい。
余談=クリーヴォン・リトルはメル・ブルックス監督の「ブレージング・サドル」が代表作(さほど面白い作品ではなかったが)。ブルース・デーヴィソンの代表作は「いちご白書」なのだが、個人的にはネズミのサスペンス「ウィラード」が印象深い。監督のスチュワート・ラフィルは日本で「アドベンチャー・ファミリー」をスマッシュ・ヒットさせた実績がある。「フィラデルフィア・エクスペリメント」なんかも撮っているが、基本的にはB級監督。「マック」という作品(「E.T.」をパクッた映画らしい)ではラジー賞ワースト監督賞を受賞している。音楽のマーク・スノーは「Xファイル」が有名。
ダーティーソルジャー野良犬軍団