原題 ; THE NUTTY PROFESSOR(1996)
 監督 ; トム・シャドヤック
 脚本 ; デヴィッド・シェフィールド、バリー・W・ブラウスタイン、トム・シャドヤック、
       スティーヴ・オーデカーク
 音楽 ; デヴィッド・ニューマン
 出演 ; エディ・マーフィー、ジェイダ・ピンケット、ラリー・ミラー、デイヴ・チャペル
ジェリー・ルイス主演の「底抜け大学教授」をリメイクしたコメディ。
自分で監督した「ハーレム・ナイト」あたりからヒット作に恵まれず「ビバリーヒルズ・コップ3」までハズしちゃったエディー・マーフィー久々のヒットとなった。特殊メイクでデブになったうえ、主人公の他に家族の子供以外4人、分身のバディー・ラヴ、テレビのフィットネス指導者と7役をこなしたことも話題となった。
シャーマン・クランプ教授(エディ・マーフィー)は優秀な遺伝子工学の研究者だが、極端なデブが悩み。腹がつかえて黒板を消しちゃう始末。
DNAを組み替えて体脂肪を減らす薬品の研究が成果を上げそうなクランプは、学部長のディーン(ラリー・ミラー)から富豪のOBから寄付金が取り付けろと厳命される。
新任の講師カーラ・パーティ(ジェイダ・ピンケット)に惹かれたクランプは、デートの約束をする。彼は一念発起してダイエットに挑戦。ロッキーばりに走ったりするが効果はなし。
デート当日、クラブに行ったもののスタンダップ・コメディアンのレジー(デイヴ・チャペル)にデブをさんざんサカナにされて、すっかりしょげてしまう。
ショックを癒そうとヤケ食いしたクランプ。太り続けて巨大化、おならで街を破壊するモンスターとなってしまう悪夢を見る。
目覚めたクランプは新薬開発に熱中、完成した薬を使ってスマートな体に変身した。大喜びの彼はクランプ教授の助手バディ・ラヴを名乗ってカーラに接近、デートの約束をする。
だが、薬の効果は時間が経つと切れてしまう。
クランプとは人格も違うお調子者のバディ・ラヴは、先日のレジーに客席から突っ込んで、思いきりコケにしてしまう。頭にきたレジーは空手で挑戦するが、あっさりバディにのされる。
カーラとも良い雰囲気になるが、薬が切れて体のあちこちが膨張してきた。あわてて逃げ出すが、助手のジェイソンに見つかってしまう。
ジェイソンに薬の使用をやめるよう警告されるクランプだが、カーラにもてたい一心の彼には決心がつかない。
今度はカーラをクランプ家の夕食に誘うが、彼女はバディが気になって上の空。
再びバディに変身した彼は、部屋いっぱいの花を贈りカーラを食事に誘う。その店は学部長ディーンが、寄付を検討している富豪ハーラン・ハートリー(ジェームズ・コバーン)に、クランプを呼んで研究の説明をさせる予定の店だった。
ピンチヒッターになったバディは、調子よくDNA組み換えによるダイエットを説明。ハーランは「優秀だ」と感心、翌日のOB会で実験を成功させれば寄付すると約束した。ディーンは、クランプをクビにしてバディを教授に任命しようとする。
だが、カーラはバディのプレイボーイぶりにウンザリして去っていった。
バディは、クランプの自室でバカ騒ぎのパーティーを開く。翌朝、クランプに戻ったところにカーラがやってきた。女たちを見た彼女は、クランプもバディの乱交パーティに参加したと勘違いして帰ってしまう。
クランプは薬の使用をやめてバディの封印を決意。だが、それを予想していたバディはクランプ愛用のダイエット・ドリンクに薬を仕込んでいた。
バディになった彼は、パーティ会場でデブに戻りかけて薬を飲み、またやせる姿を披露する。
バディは会場で大量に薬を飲み、クランプに戻らなくしてしまう算段だった。
そこにジェイソンが駆けつけて真相を暴露。バディは彼を殴ろうとするが、クランプの意思が自分の拳を止めた。
交互に変身しながらクランプとバディが一人芝居で戦う。ついに勝利してパーティ客の前で元に戻ったクランプは、手段を選ばず理想を追った自分を悔いた。
寂しげに会場を去ろうとするクランプをカーラがダンスに誘う。
ハーランは彼クランプ「優秀なだけでなく紳士だ」と絶賛、彼への寄付を決めるのだった。
エディー・マーフィーは本作と「ドクタードリトル」で見事復活を果たしたが、「ショータイム」あたりから実写作品にヒットがなく、ドンキー(シュレック)を中心とした声優の仕事が増えているらしい。最新作はゲーム「キングダムハーツU」の声の出演だとか。
コメディを得意とするトム・シャドヤック監督。これまで観た作品では「ライヤー・ライヤー」がお気に入り。
本作は、おならにこだわった下ネタも多い作品だが、全体的に丁寧な作りで良くまとまっている。特殊メイクとCGにも凝って顔や身体がビョンビョン変形したり、エディ・マーフィーのスタンダップコメディアンとしての達者さを披露したりと、サービス精神も旺盛。
大笑いするほどインパクトのあるギャグがないのが残念だが、一通り楽しませてくれる。
ジェームズ・コバーンは、一見渋い雰囲気で実はC調な大富豪を気分よさそうに演じている。コバーンでなくてもかまわない役ではある気もするが。
ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合
ストーリーは基本的にラストまで
紹介してあります。
この作品はDVDが発売されているので
鑑賞が可能です。御注意ください。