原題 ; ERASER(1995) |
監督 ; チャールズ・ラッセル |
脚本 ; トニーブライヤー、ウォロン・グリーン |
音楽 ; アラン・シルヴェストリ |
出演 ; アーノルド・シュワルツェネッガー、ヴァネッサ・ウィリアムズ、ジェームズ・カーン |
シュワルツェネッガーが、FBI証人保護プログラムの担当官を演じるハード・アクション。 わざとやりすぎてコミカルなイメージを狙っているような傾向があり、好みが別れる作品かもしれない。 冒頭、ジョン・クルーガー(アーノルド・シュワルツェネッガー)がFBI証人保護プログラムのプロフェッショナルとして、夜逃屋本舗よりド派手な逃がしのテクニックを駆使する様子が手際良く描かれる。 彼は本部長ベラー(ジェームズ・コバーン)から、サイレス社による新兵器・電磁銃レールガンの海外密売について内部告発をするリー・カレン(ヴァネッサ・ウィリアムズ)の保護という新任務を命じられた。 リーは電磁銃のデータ持ち出すが、上司のドナヒュー(ジェームズ・クロムウェル)に見つかってしまう。悪事がばれたことを知ったドナヒューは、リーの目の前で拳銃自殺した。 リーの自宅が襲撃されるが、間一髪で駆けつけたジョンが救出する。 ジョンは彼女をチャイナタウンにかくまう。 彼は先輩のロバート・ドゥゲラン(ジェームズ・カーン)から、身分を変えた証人が殺されていると教えられる。内部に裏切り者がいるようなのでCIAと組んで証人を移動するというのだ。 実はロバート自身が裏切り者なのだが、そうとは知らぬジョンは飛行機内で睡眠薬を盛られてしまう。 真相に気づいたジョンは、眠りに落ちる寸前リーに緊急の待ち合わせ場所である動物園に向かうよう連絡する。 意識を取り戻した彼は、空中へと脱出、落ちていくパラシュートに飛びつく荒業。ところが飛行機が突っ込んできたためパラシュートが絡まってしまう。それでもなんとか半開きにして中古車置き場へと着地、動物園へと向かう。そこにもロバートの部下たちが集結していた。 ジョンが水槽のガラスを撃ち割ったため、敵数人は逃げ出したワニの餌になる。 ロバートは逃げたジョンたちに罪をなすりつけようとするが、ゲラーは半信半疑。とはいえ証拠がなければジョンが無実だと断定できない。 ジョンたちは盗んだデータの中身を知るため、かって保護したジョニー・カステローネの協力を得てサイレス社に潜入。ロシアン・マフィアに武器を密売する情報を掴む。だが。データは消去されてしまった。 しかもリーがロバートに捕まってしまう。ジョンとカステローネは武器が荷積みされるボルティモアに向かった。港を仕切るのはカステローネの昔のマフィア仲間。彼らは、勝手にロシア相手の武器密輸などさせるかと立ち上がる。 倉庫に忍び込んだジョンをレールガンが攻撃する。足に負傷しながらもジョンは床下から反撃。レールガンを奪い、敵をなぎ倒す。 だが、ロバートがリーを人質にしたため、宙吊りのコンテナ上で素手の対決となる。 ロバートが銃を手にするが、ジョンは自分ごとコンテナを落下させた。 もちろんジョンは無事、負傷したロバートは駆けつけたゲラーに逮捕された。 武器密売の裁判が始まる。訴えられたのはロバート、国防長官、サイラス社幹部。 裁判所の前でジョンとリーの乗った車が爆破された。 してやったりと大喜びのロバートたち。だが、3人の中に暗殺を仕掛けた者はいなかった。 3人の乗ったリムジンが線路の真ん中で停まる。運転手はカステローネだった。彼は三人の乗ったリムジンを置き去りにする。 ロバートは、ハメられたのが自分たちだったと気づくが後の祭り。列車に突っ込まれたリムジンは大破炎上するのだった。 悪党の末路を見届けたジョンたちを乗せた車が走り去っていく。 冒頭にも書いたように、コミカルな味付けのアクションも多く、高予算作品ながらちょっとB級テイストになっている。 「マスク」を撮ったチャールズ・ラッセル監督の個性なのかもしれない。 テンポも良くて個人的にはけっこう楽しめた作品。 ジェームズ・コバーンは渋い演技を見せるが、キャラクター的には騒動の最中には活躍せず、終わってから「良くやった」と現れるのでC調な印象。 ゲスト出演で楽したコバーンに比べ、コンテナ上でシュワルツェネッガーとの対決シーンまであるジェームズ・カーンは大変だったらしい。インタビューで彼は、「スター映画出演はつらいな。シュワちゃんばかりチヤホヤされて、こちとらアカデミー俳優なのに待遇悪くてまいったよ」といった内容のグチをこぼしたとか。 |