原題 ; KEYS TO TULSA(1996) |
監督 ; レスリー・グライフ |
脚本 ; ハーレー・ヘイトン |
音楽 ; スティーヴン・エンデルマン |
出演 ; ジェームズ・スペイダー、エリック・ストルツ、デブラ・アンガー、マイケル・ルーカー |
脅迫ならブラックメールで、ナカグロ入れたら単なる黒い手紙だろって、突っ込みたくなるビデオ・タイトルの劇場未公開サスペンス映画。地味ではあるが個性派の俳優を揃えいるのが魅力ではある。 新聞記者リクター(エリック・ストルツ)は恋人のトゥルーディー(キャメロン・ディアス)と別れて故郷のタルサへと舞い戻った。 彼は、地元の有力者で石油成金のハーモン・ショウ(ジェームズ・コバーン)の娘に手を出して町から追放されていたのだ。 リクターは、悪友ロニー(ジェームズ・スペイダー)とその妻ヴィッキー(デボラ・アンガー)と再会。ヴィッキーがリクターに誘いをかけたりして妖しい雰囲気だ。どうやら昔は恋仲にあったらしい。ロニーはリクターの実家に、いわくありげなポーチを忘れていく。 石油会社の社長をしているヴィッキーの兄キース(マイケル・ルーカー)も新聞社に押しかけてくる。性格破綻気味の彼は経営を弁護士に任せ、酒と女に明け暮れていた。 キース邸のプールでくつろいでいると、ヴィッキーがテニスに誘いに来た。彼はテニスコートで弁護士チップ・カールトン(ピーター・ストラウス)を紹介される。 ストリッパーのチェリー(ジョアンナ・ゴーイング)が黒人女性エルラの殺害現場を目撃しており、ロニーはそれをネタにゆすりを働こうとしていた。リクターは止めようとするが聞かない。 リクターは、家なしのチェリーを自宅に泊める。二枚目で金持ちのリクターを気に入ったチェリーがモーションをかけて二人は関係を持つ。 一方、リクターの母親シンシアが再婚すると言い出す。彼は財産を握っている母親に頭が上がらないのだ。彼女はリクターが相続するはずだった別荘も取り上げてしまう。 リクターはショウと面会する。やけに愛想良く現れたショウだが、用件は娘が戻ってくるのでリクターには町から出て行ってほしいというものだった。 ショウの息子ベッドフォードの車が爆破された事件があったことを知ったリクターは、エルラ殺害犯がベッドフォードで、爆破はロニーが脅しにやったことに気づく。 新聞社をクビになったリクターが自宅にに戻ると、部屋が何者かに荒らされていた。再びキース邸に転がり込むと、ロニーとの夫婦生活が破綻したヴィッキーがやってきた。ベッドで抱き合っていると銃を持ったキースが入ってくる。彼は銃に弾を一発込めると、ヴィッキー相手にロシアン・ルーレットを試みたあげく、二人の裸を写真に撮って去っていった。 このことを知って嫉妬したチェリーは、リクターに事件の真相を話はじめる。 彼女とエルラは、娼婦のエルラを虐待したベッドフォードに復讐しようと企んだ。エルラがベッドフォードをホテルに誘い出し、チェリーが窓の外からからスキャンダル写真を隠し撮りしようというのだ。 ところが興奮しすぎたベッドフォードは、チェリーの目の前でエルラを殺してしまった。 ロニーのポーチには、このときのフィルムが入っていた。 母親の家に置きっぱなしになっていたポーチを取り戻したリクターは、ヴィッキーのいるモーテルに行き、そこで待つように指示する。 キース邸にリクター、チェリー、ロニーが集合したとき、銃を持ったベッドフォードが押し入ってきた。ロニーとリクターはフィルムを渡す。ベッドフォードは三人を撃とうとする。 そこに戻ってきたキースがベッドフォードを射殺した。 リクターは、押し入ってきたベッドフォードをキースが正当防衛で撃ち、他の三人はいなかったというストーリーを考え出す。 写真は彼の同僚だった新聞記者に渡して、ベッドフォードの犯罪を暴く記事を書かせるのだ。 リクターは、ロニーにヴィッキーの待つモーテルの鍵を渡してヨリを戻しに行かせる。 その後、トレイラー・ハウスで暮らし、浜辺でチェリーとともにくつろぐリクターの姿があった。 エキセントリックな登場人物の描写に重点が置かれており、ストーリー展開は緻密とは言えずサスペンス映画としては弱いのだが、それなりに楽しめる作品ではある。全体的にもう少しスマートな演出がほしかった。 キャメロン・ディアスは冒頭の場面のみの出演で、しかも少々珍演。何らかの縁があって友情出演したのかもしれない。 ジェームズ・コバーンは出番は2シーンのみのカメオ出演。若手俳優が多いので、ドラマに奥行きを与える効果はあげていると思うが、コバーンならではというキャラクターではない。娘の件で絡むだけで、本筋の事件には全く関係ないし。 |