原題 ; PROXIMITY(2001) |
監督 ; スコット・ジール |
脚本 ; ベン・クイーン、シーマス・ルアン |
音楽 ; ステファン・クロ |
出演 ; ロブ・ロウ、ジョナサン・バンクス、ケリー・ローワン、T.C.カーソン |
ジョエル・シルヴァーが製作したB級アクション。 死亡者が急増し、この2年で14人の死者を出したという刑務所に収容されているウィリアム・コンロイ(ロブ・ロウ)。彼が怪しい咳の音を聞いた夜、隣の監房のコールが自殺した。 コンロイの仮釈放審査が始まる。移送中のバンの中で、同乗の囚人ローレンスが突然襲いかかって来た。バンは川に転落。コンロイは手錠を外して逃走する。 コンロイは弁護士のホーソンと連絡を取った。ローレンスはコールが死んだ夜に聞いたのと同じ咳をしていた。しかもホーソンは仮釈放審査のことなど聞いていなかった。 刑務所長プラマーはローレンスを看守のプライス(ジョナサン・バンクス)、ヤスミン(T.C.カーソン)とともにコンロイ抹殺に差し向けることにした。 プライスは凶悪犯を表で使う所長のやり方に疑問を感じ始めていた。 ホーソンが刑務所に連絡を取ると、コンロイは風邪で寝込んでいるという返答だった。 コンロイは自宅に戻ると、そこには看守たちが張り込んでいた。彼は通りがかりの車を奪って逃走。看守たちの追撃を振り切った。 次にコンロイは新聞記者のダートに連絡を取る。 元大学教授のコンロイが飲酒運転で同乗していた不倫相手の教え子を死なせたとき、記事に書きたてたのがダートだった。 ホーソンの調査によれば囚人の死亡事件が急増したのは所長が交代してからだった。そして死んだ囚人は殺人罪か過失致死罪だった。 所長は、被害者の遺族に正義を、と訴える組織の代表ジム・コーコラン(ジェームズ・コバーン)に会っていた。コーコランは、自分の事業拡大の話をする。 看守たちとローレンスはホーソンの自宅を襲う。ローレンスは看守たちを殴り倒すとホーソンを殺害して逃亡した。 コンロイは、所長と写っている記事を見つけコーコランのオフィスに忍び込み、死んだ囚人たちと彼らが起こした事件の資料が揃っていることを発見した。 コーコランは妻をレイプ殺人で失ったが犯人は懲役12年の判決、早ければ5年で釈放になるのだ。 看守ヤスキンに襲われ逃げるコンロイ。その途中ですれ違ったのは、事故で死んだ教え子の両親だった。両親はコーコランにコンロイの抹殺を依頼していた。 コーコランの事業とは、被害者の遺族から死刑にならなかった犯人の殺害を請け負い、プラマー所長を介して実行することだった。 コンロイは証拠となるビデオテープを持ち出していた。ローレンスに接触した所長は、前金を渡しコンロイとビデオを始末するよう命令する。 ビデオはダートを介して事件を担当するグレイザー署長に渡った。 ローレンスはアンと息子を人質に取り、テープを渡すよう要求する。取引場所に指定した列車内でローレンスと家族に会うコンロイ。尾行してきた所長と看守たちも姿を現す。 駅から警官が乗り込んできたため銃撃戦になってしまう。ローレンスは射殺された。 駅舎にグレイザー署長率いる警官隊が突入してくる。コンロイはヤスキンに取り押さえられるが、銃を持ったプライスは彼を撃たず、警官隊に投降した。 所長もコーコランも逮捕された。やがてコンロイは釈放されて家族と再会するのだった。 短いランニングタイムの作品ということも手伝って飽きずに見られたが、特に印象的な見せ場はなく、犯罪が暴かれる過程もあっけない。 心ならずも加害者となってしまった主人公と被害者の遺族、双方の苦悩が描かれていれば、もう少し奥行きのある作品になったと思うのだが。 ジェームズ・コバーンも手堅い演技ではあるのだが、キャラクター的に中途半端。犯罪を憎むあまり狂信的になったのか、それともあくまで金銭欲なのか、はっきりと描いた方が良かったと思う。 |