原題 ; MONSTERS INC.(2001) |
監督 ; ピート・ドクター |
脚本 ; アンドリュー・スタントン、ダニエル・ガーソン |
音楽 ; ランディ・ニューマン |
声の出演 ; ジョン・グッドマン、ビリー・クリスタル、ステューヴ・ブシェミ |
ピクサーがモンスターの世界を舞台に描くCGアニメ。 夜な夜なクロー ゼットから現れて子供たちを脅かすモンスターたち。彼らはモンスターシティにあるモンスター社の社員。モンスターシティのエネルギー源である人間の子供の悲鳴を集めているのだ。 でかくて毛むくじゃらなサリー(ジョン・グッドマン)は成績トップの優秀社員。友達で一つ目のマイク(ビリー・クリスタル)はひょうきんな性格で驚かすのが苦手なため裏方に回っている。カメレオン系のモンスター、ランドール(スティーヴ・ブシェミ)はサリーのライヴァルで性格が悪い。 このモンスターたち実は臆病で、人間の子供に触られたら死んでしまうと思い込んでいる。子供に触られたり子供の持ち物が持ち込まれたりしたら、危険物処理班が出動して大騒ぎになる。 近頃の子供たちはなかなか驚かないので三代目の社長ヘンリー(ジェームズ・コバーン)は営業不振に頭を悩ませていた。 夜になってサリーは、子供部屋のクローセットにワープするドアが置き忘れてあるのを見つける。しかも作業場には人間の女の子が。サリーは大慌てで子供を部屋に戻そうとするが、いつの間にかついてきてしまう。 しかもドアは、こっそり使っていたランドールが片付けてしまった。 しかたなくサリーはマイクとガールフレンドのセリア(ジェニファー・テイリー)がデートしている寿司屋に行くが、トランクから子供が出てきてしまう。 恐怖に襲われた街はパニック状態。 子供を自宅に連れ帰ったサリーとマイクは、子供の機嫌を取ろうとする。子供が笑い出すと電気がショートしてしまう。 なんとか子供を帰そうとサリーとマイクはモンスターの着ぐるみで変装させてモンスター社に連れて行く。サリーは子供をブーと呼ぶことにした。 一方、ランドールも子供を捜していた。ランドールは寿司屋事件の新聞記事でマイクが関わっていたことに気づく。 ランドールはマイクにブーの部屋のドアを出してやるからこっそり返せと言う。 だが、サリーはランドールが信用できない。やっぱり罠で様子を見に入ったマイクが代わりに捕まってしまう。 マイクを探して隠し部屋を見つけたサリーは、ランドールが子供を誘拐して脅し恒久的にエネルギーを得る装置を実験していることを知る。 サリーとマイクはヘンリー社長にこのことを報告するが社長もグルだった。二人はニセのドアでヒマラヤの山奥にワープさせられてしまう。そこには雪男がいた。 雪男の正体は、僻地に左遷されたモンスター社の社員だった。 サリーはソリでふもとの村に行き子供部屋からモンスターシティに戻り、ブーを助け出す。 透明になったランドールと戦っていると仲たがいしたマイクが助けに来た。 ブーを連れたサリーとマイクは、コンベアでドアの倉庫へとジェットコースターのように走っていく。 ランドールも追ってきた。子供の笑いが恐怖より大きなエネルギー源になることに気づいたサリーは、マイクにブーを笑わさせて電源にする。 次々ドアを抜けて逃げるが、ランドールにブーを取られてしまう。 今度はサリーが追いかける。サリーはランドールの騙まし討ちにあってピンチに陥るが、怒ったブーが襲いかかって形勢逆転。ランドールを南部のド田舎に送り込んでしまう。 サリーたちはヘンリー社長と処理班に包囲された。マイクが着ぐるみを持って囮となり、サリーとブーがこっそり逃げる。気づいた社長が追ってきた。だが、社長が真相をばらした場所は子供襲撃を練習するトレーニングルームだった。全ては処理班に見られ、マイクには録画までされてしまった。 そこに現れた事務係のおっかないオバサン、ロズ。彼女はモンスター社を内偵していた潜入捜査官だった。連行されていくヘンリー社長。 ブーは自宅に送り返されドアは粉砕された。 新生モンスター社は子供を笑わせてエネルギーを得る会社となり、マイクが稼ぎ頭になった。 ブーを懐かしんで寂しがるサリーにマイクがプレゼントしたものは、ひそかに修復したブーの部屋に通じるドアだった。 モンスターたちの造形が上出来で、特にサリーのフサフサした毛の質感が見事に表現されている。ブーのあどけなさも良く出ていて、彼女の姿に右往左往するモンスターたちの滑稽さが引き立っている。 ジョン・グッドマンとビリー・クリスタルの掛け合いも楽しく、テンポの良い快作に仕上がっている。恐怖よりも笑いのほうが高いパワーを持っているというアイデアも、いかにもディズニーらしい。 ジェームズ・コバーンは、押し出しが効いて一見紳士だが実は、という晩年実写でも得意とした役柄を余裕で演じている。 |