原題 ; SNOW DOGS(2001) |
監督 ; ブライアン・レヴァント |
脚本 ; ジム・カウフ、トミー・スワードロー、マイケル・ゴールドバーグ、 マーク・ギブソン、フィリップ・ハルプリン |
音楽 ; ジョン・デブニー |
出演 ; キューバ・グッディング・Jr.、ジョアンナ・バカルソ、ニシェル・ニコルズ |
ディズニーが犬ぞりレースをテーマに描いたコメディ。 マイアミに開業する歯医者の跡取りテッド・ブルックス(キューバ・グッディング・Jr.)は、事業に大成功。 そこに突然、アラスカから召喚状が届く。母親ルーシーが死んで遺言状が公開されるというのだ。 育ての母のアメリア(ニシェル・ニコルズ)はテッドが養子だと告白した。 ショックを受けたテッドは、とにかくアラスカのトルケトナへと旅立つ。アンカレッジで乗り換えようとすると、便がポンコツのセスナ機なのでビックリ。 パイロットのジョージ・マーフィーは弁護士もする何でも屋だった。 ようやくトルケトナに到着。一同はルーシーの親友だったバーブ(ジョアンナ・バカルソ)の経営する酒場に集合した。 ジョージが遺言状を読み上げ始める。そこに入ってきた強面の老人サンダー・ジャック(ジェームズ・コバーン)。 知人たちに遺品が配られ、テッドには財産目録が渡され、ジャックには屋外便所が贈られた。彼は苦虫潰した顔で出て行く。 ルーシーの小屋に泊まることにしたテッドは、犬ぞりレースの優勝カップと本物の犬を見つける。なんと犬は8頭もいた。ジャケットに噛みつかれて逃げまどうテッド。 仕方なく納屋で寝ているとサンダー・ジャックがやって来た。犬を買おうというのだ。脅されて200ドルで売りそうになったが、強気なバーブがジャックを追い返した。 ジャックの目的は犬ぞりレース、北極チャレンジ。 テッドは父親を探そうと町に住む黒人を訪ねが、ハズレだった。 テッドは、ルーシーの遺品を売却し犬たちをサンダー・ジャックに譲って帰ろうとする。バーブは父親がジェームズ・ジョンソンという男だと教えた。 ジェームズの小屋を訪れたテッドはジェームズがサンダー・ジャックと知ってビックリ。ジャックはテッドを息子と知っていたが、犬以外に関心を示さない。 父親への反発から犬ぞりレースに挑戦することにするテッド。犬たちは彼を舐めきっているので、全然うまくいかない。 それでもバーブのアドバイスで、なんとかソリに繋げたが、引きずられてばかり。 それならと自動車を引かせてみる。このアイデアは成功したが、後部座席にスカンクが忍び込んでいた。 夜、テッドとバーブが夜景を見ながらロマンティックな雰囲気。カットが変わってベッドで目覚めるテッドがやさしく語りかけたのは横で眠る犬のナナだった、というのはファミリー映画らしいギャグ。 犬にも慣れてきたテッドだが、狐を見つけた犬たちが暴走。落下した彼は置いてけぼり、熊に遭遇してしまう。崖を飛び降りて逃げ切ったが、今度は氷が割れて湖に落ちる。なんとか這い上がったが完全に遭難状態。吹雪の中、マイアミの浜辺で犬やバーブがレジャーを満喫する幻覚に襲われる。 気がつくとジャックに救助され洞窟に運び込まれていた。ジャックは母親とのいきさつを話す。犬ぞりレースで吹雪に襲われ、この洞窟に避難したジャックが、たまたまそこにいたルーシーと関係してしまった。それ以外の付き合いはなかったというのだ。 テッドは犬をジャックに譲り、バーブに見送られて帰っていく。 いよいよ北極チャレンジが始まり、ジャックは、自分にとって最後のレースとして参加していた。 遺品からルーシーとジャックが写った写真を見つけたテッドは、洞窟での話が嘘と知りアラスカに戻る。 レースの成績を焦ったジャックは吹雪の中を出発して行方不明になってしまう。 例の洞窟にいると見当をつけたテッドは、ナナをリーダー犬にして吹雪の中をソリで出発。洞窟に着くと、中では骨折したジャックが犬たちに暖められていた。 ジャックは真実を語り始める。テッドが生まれたとき、病院で赤ん坊を見た彼は、父親になる自信がなくて逃げ出してしまったのだ。ルーシーを愛していたにもかかわらず家庭を築くことが出来なかったジャックは、初めて息子に謝罪した。 夜が開け出発しようとするが、リーダー犬のデーモンが従わない。テッドはデーモンの耳に噛みついてジャックを面食らわせる。「耳に噛みついて従わせる」というのは地元の言い回しに過ぎなかったのだ。 テッドがデーモンの虫歯を抜いてやると、すっかり大人しくなった。 二人はゴール地点を目指す。途中でソリが道をハズレ崖から宙吊りになってしまうが、デーモンたちが踏ん張って引きづり上げた。 レースは終了していたが、サイレンが鳴ってジャックたちの生還を知らせるとゴール地点には群衆が集まってきた。 大歓声の中ゴールしたテッドとジャック。そこにはバーブとアメリアも待っていた。 二人は無事最下位賞に輝いた。 やがてテッドとバーブは結婚式をあげ、トルケトナに歯科医を開業。デーモンとナナにも仔犬が生まれたのだった。 なかなか良くまとまったコメディで、本国ではスマッシュヒットとなったが、日本ではワーナーマイカルの郊外店のみでの限定上映にとどまった。 キューバ・グッディング・Jr.としても久々の当たり役で、ヒットを受けて編製作の報も流れた。ジェームズ・コバーンが亡くなったためかどうか、残念ながら流れてしまったらしい。 ジェームズ・コバーンが演じるのは、家族を作ることが出来なかった頑固親父。コバーンがもっとも得意としてきた、ボヘミアン的ともいえる家庭臭を感じさせないキャラクターの延長線にある。最後に家族を持つことが出来なかったと詫びる姿は、このタイプの役柄の総決算であったとも思えた。個人的には、「白い刻印」よりも本作の演技でアカデミー助演男優賞を渡したかった気がする。 |