原題 ; RAGGEDY ANN & ANDY(1977)
 監督 ; リチャード・ウィリアムズ
 脚本 ; パトリシア・ザックレイ、マックス・ウィルク
 音楽 ; ジョー・ラポソ
 出演 ; クレア・ウィリアムス、(声)ディディ・コン、マーク・ベイカー
絵本やぬいぐるみでお馴染みの、おんぼろアンと弟アンディーの活躍を描いたミュージカル・アニメーション。
年少者向け作品だが、なかなか楽しく仕上がっている。
単純なラインとカラフルな色使いで描かれ、ちょっとポップな感覚のアニメとなっている。
オープニングとエンディングが実写で、夜間オモチャが人知れず動き出す部分がアニメで描かれている。
マーセラ(クレア・ウォリアムス)は、七歳の誕生日にフランス人形のプレゼントを貰う。
フランス人形はバベットと名付けられ、マーセラのオモチャの部屋に仲間入り。
夜になるとアニメになり、オモチャたちは動き出し歌って踊るが、バベットはパリを思い出してホームシック。
ところがパペットに惚れ込んだガラス玉の中の海賊船長が、おんぼろアン(ディディ・コン)をだまして玉から出るとバベットをさらっていってしまう。
アンと弟アンディー(マーク・ベイカー)は海賊船を追いかけて一晩の冒険に出る。
恐い森も勇気の歌で乗り切り、膝にしわの寄った孤独なラクダと友達になる。
初めてできた友達を乗せて有頂天のラクダは勢い余って谷から転落、お菓子の沼に落ちてしまう。
三人は沼に巣食う食いしん坊お化けに襲われるが、魔法を使うイカレ騎士に助けられる。
イカレ騎士の案内で魔法の国に着いた三人はチビのクークー王に捕まってしまうが混乱に乗じて船で脱出。
クークー王は軍艦クークー号に乗り、海の怪獣ガズークスを使って三人を追う。
アンたちは海賊船に追いつくが、船長はバベット。
バベットは海賊たちを船倉に閉じ込めパリに帰ろうとしていた。
アンたちもデッキで縛られてしまうが、そこにクークー号とガズークスがやって来た。
縄を解いたアンはガズークスをふくらまして破裂させてしまう。
バベットもマーセラを悲しませないため、オモチャ部屋に帰る決心をした。
夜が明けてマーセラがオモチャ部屋に入るとオモチャたちは何事もなかったかのように並んでいた。
ただ風船のオモチャガズークスだけが空気の抜けた姿で庭の池に落ちていたのだった。
余談その一=「おんぼろアントアンディー」の作者はジョニー・グルーエル。1900年代に人気を集めた政治風刺マンガ家だったらしい。「アンとアンディー」は心臓病で病床に就き14歳で亡くなった彼の娘マーセラを慰めるために書かれたもので、24冊の童話集にまとめられたとのこと。グルーエル本人も1938年心臓病により58歳で亡くなっている。
余談その二=監督のリチャード・ウィリアムズは「カジノ・ロワイヤル」や「ピンク・パンサー3」などのタイトル・アニメーションを担当した人。音楽のジョー・ラポソは「セサミ・ストリート」の音楽が代表作でエミー賞、グラミー賞を受賞とのこと。

アンとアンディーの大冒険