原題 ; CHARLOTTE'S WEB(1972) |
監督 ; イワオ・タカモト |
脚本 ; アール・ハンマー・ジュニア |
音楽 ; リチャード・M & ロバート・B・シャーマン |
出演 ; (声)デビー・レイノルズ、ヘンリー・ギブソン、ポール・リンド |
「トムとジェリー」や「恐妻天国(フリントストーン)」などのテレビ・アニメで有名なハンナ・バーバラ・プロが製作した劇場用ミュージカル・アニメーションの感動作。 動物たちの友情物語としても優れているが、それ以上に生と死を通して大自然の営みを感じさせる作品となっている。 アニメ技術としては百日の長があるディズニーに一歩劣るが、ストーリーと音楽が優れており、欠点を補っている。 シャーロットの作戦にまんまと持って大騒ぎの人々、次第に子ブタに興味がなくなりボーイフレンドに夢中になるファーンなど人間の移ろいやすさが描かれているとも作品に奥行きを与えている。 クモのシャーロットの声をミュージカルの大女優デビー・レイノルズが担当しているのも魅力。 日本語吹き替え版では岸田今日子がシャーロットを、谷啓がウィルバーを担当、ナレーターは石坂浩二だった。 アラブル家に生まれたブタのウィルバーは未熟児。 育ちそうにないと殺されそうになる。 可哀そうに思った娘のファーンが命乞いをしたので助かり、すくすくと育つ。 大きくなったウィルバーは大きな農場を経営するズッカーマンに買われていく。 ファーンを懐かしんで泣くウィルバーだったが、ここでもダチョウの親子や食いしん坊なネズミのテンプルトンといった仲間ができた。 ある日、羊から成長したらハムかベーコンにされてしまうと教えられてウィルバーは大ショック。 泣いているウィルバーを慰めたのは納屋に巣を作るクモのシャーロット(デビー・レイノルズ)。 ウィルバーを助けると約束したシャーロットは、夜中のうちに新しい巣を作った。 朝になって農場の人々はウィルバーの頭上に作られたクモの巣に糸で「見事なブタ」と書かれているのを見つけて大騒ぎ。見物人が詰め掛ける騒動となる。 その後もシャーロットは巣に「素晴らしい」「輝かしいブタ」と新しい書き込みを続けた。 地元の新聞にも紹介されて有頂天のズッカーマンはウィルバーを品評会に出すことにする。 品評会にはシャーロットと、ご馳走にありつけると聞きつけたテンプルトンも同行。 ここでもシャーロットは「つつましい」と書き上げる。 ウィルバーにふさわしいとシャーロットが思った、この言葉どおりウィルバーは優勝を逃したものの特別賞を獲得。 大喜びのズッカーマンは、奇跡のブタ・ウィルバーを決して殺さないと誓う。 農場に帰った夜、卵を産み力尽きたシャーロットは、友達を救えた事を喜びながら死んでいく。 ウィルバーは卵を守り続け、やがて季節が巡って春が来た。 卵から無数の子供たちが生まれるが、子供たちは風に乗って飛び去ってしまう。 寂しい思いのウィルバーに「こんにちは」と可愛い声が掛けられた。 特に小さかった三匹の子グモが残っていたのだ。 「こんにちは、僕はママの友達だよ」ウィルバーは大喜びだった。 余談その一=E.B..ホワイトのよる原作は、五年に一度児童文学に対して選出されるローラ・インガルス・ワイルダー賞を受賞している。「ベイブ」にも影響を与えているのではないかという気がする。 余談その二=テンプルトンのキャラクター・デザインが、いかにもズル賢そうな表情の目つきが悪いネズミとなっているところに作家性を感じたが、日本版のポスター等では可愛らしいディズニー・キャラ・タイプのネズミに書き換えられていた。 |