原題 ; HYSTERICAL BLINDNESS(2002) |
監督 ; ミーラー・ナーイル |
脚本 ; ローラ・ケーヒル |
音楽 ; レスリー・バーバー |
出演 ; ユマ・サーマン、ジュリエット・ルイス、ジーナ・ローランズ、ベン・ギャザラ |
アメリカの片隅に生きる女性たちを描くテレフューチャー。 タイトルはWOWOW放映時のもので、スターチャンネルでは「運命の人を探して」だったらしい。どちらも微妙にピンとこない気がする。 デビー・ミラー(ユマ・サーマン)は、シングルマザーの友人ベス(ジュリエット・ルイス)に職場で突然目が見えなくなったことを話す。 すぐに回復したのだが、病名は「ストレス性失明」。文字通り原因はストレスだという。 ベスは、いつもイラついているデビーにもっとリラックスするようにすすめる。 二人はバーに繰り出すが、ベスが注文の予定を変えたので早速イラつく。 ベスがバーテンダーのボビーと話していると、デビーはヤキモチ焼いて急に出て行ってしまう。 デビーはバーから出てきたリック(ジャスティン・チャンバース)に声をかけられる。すぐに別れたのだが、デビーはご機嫌で帰宅した。 翌朝、デビーは母のヴァージニア(ジーナ・ローランズ)にボーイフレンドのニック(ベン・ギャザラ)を紹介され、またもご機嫌ななめ。 デビーは早朝からベスを朝食に誘う。昨夜は歩いて帰ったというベスだが、慣れっこなのかあまり気にしていない。 食事はヴァージニアの働く簡易食堂「スカイウェイ」。そこにニックもやって来た。 デビーはニックをかってに最低男と決めつけて母親に忠告する。 その夜、二人は同じバーに行き、デビーはリックを待つ。リックはやって来たのだが、デビーに見向きもしない。 意を決して自分から近づいていくデビー。ベスに車の鍵を渡し、リックと店を出て行く。 リックの家でビールを飲み、もつれあう二人。翌朝、ベスに迎えに来てもらって帰宅する。 ニックはヴァージニアにフロリダで余生を過ごす計画をもちかけた。 デビーはすっかりその気で通販カタログの指輪をチェックしたりする。だが、夕食の約束をした日にリックは来なかった。 失意のデビーは仕事を休んだ。バーにタバコを買いに行くと、そこにはニックがいた。彼はデビーに気晴らしを勧める。 しかし、そのニックもヴァージニアとの約束をすっぽかして姿を現さない。 その後、ニックの息子マイケルから連絡が入る。ニックがは臓麻痺で亡くなっていたのだ。 平然を装うが一人になると嘆き悲しむヴァージニア。葬儀にはデビーとベスも同行した。 マイケルは、父がヴァージニアの話をするとき、見たこともないほど幸せそうだったと告げた。 職場Mの同僚もニックのことで同情してくれるが、リックにふられたことを話していないのでベスにはつらいもがあった。 ベスはバーテンのボビーとうまくいきかけていたが、娘のアンバーがいるためバーでゆっくりしてもいられない。 一人飲みなおすデビー。久しぶりにリックが姿を現す。彼の目的はヤルことだけ。それでもデビーは彼が特別な存在だと言い続ける。 てっとり早くセックスすることしか考えていないリックは、座って話がしたいと迫るデビーを突き飛ばす。それでもすがりつくデビーを置いて去っていった。 ボビーに「周りが見えてない」と言われ、デビーも腹を立てて帰っていく。 ベッドで泣き崩れるデビーをヴァージニアが抱きしめる。 ある日、デビーが帰宅すると家の様子がすっかり変わっていた。ヴァージニアが貯金で調度品を買い揃えたのだ。 道端で日光浴するデビーとベス。そこでアンバーがチアリーディングのバトンダンスを披露。三人はホースで水を掛け合ってはしゃぐ。かたわらにはそれを見て微笑むヴァージニアの姿があった。 監督はインド出身の女流監督ミーラー・ナイール。次回作はヒラリー・スワンク主演の「アメリア」。大空に消えた女性パイロット、アメリア・エアハートの伝記映画で、イヴ・シモノー監督の「ラスト・フライト」ではダイアン・キートンが、日本の舞台「テイクフライト」では天海祐希が演じたことがある。 なかなかうまくいかない人生の中で、それでも喜びを見出だして生きていくヒロインたちが暖かいタッチで描かれていく。 テレビ用の小品ではあるが、配役に演技派を揃えて味わいのある作品に仕上がっている。 ジーナ・ローランズとベン・ギャザラはさすがに円熟味のある演技を披露しているし、ユマ・サーマンとジュリエット・ルイスも、それぞれカリカリして空回りするヒロインと、気の良いシングル・マザーの親友を好演している。 演技力を高く評価されながらも、すっかり活動が地味になってしまったジュリエット・ルイスだが(カレン・ブラックと似たパターンか?)、ホワイトトラッシュっぽい役を演じると妙にハマる。「スタスキー&ハッチ」や「ダーウィン・アワード」なんか見せ場がなくて気の毒だったけど頑張ってほしい女優の一人。 |
駆け抜けるニュージャージー