原題 ; RAPTURE(1965)
 監督 ; ジョン・ギラーミン
 脚本 ; スタンリー・マン
 音楽 ; ジョルジュ・ドルリュー
 出演 ; パトリシア・ゴッジ、ディーン・ストックウェル、メルビン・ダグラス
「シベールの日曜日」で有名なパトリシア・ゴッジの数少ない出演作。
フィルモグラフィーによると十代に5本出演しただけらしい。
日本に紹介されているのは2作のみのようだ。
本作でも15歳とは思えないしっかりした演技を披露しているので、なんだか残念。
B級アクションから出世して「タワーリング・インフェルノ」等の大作を手がけるギラーミン監督の過渡期における作品といえるのではないだろうか。
モノクロながら詩情溢れる佳作となっている。
音楽は名手ドルリューだが、残念ながらどんな音楽だったか記憶がない。
北フランス・ブルターニュ海岸で崖の上の一軒家に世捨て人の元判事である父ラーボー(メルビン・ダグラス)、奔放な姉ジュヌビエーブとともに暮らす孤独な少女アグネス(パトリシア・ゴッジ)。
アグネスは父の古着で案山子を作り、その案山子はアグネスの友人代わりの存在となる。
ある日、殺人犯として追われる青年ジョセフ(ディーン・ストックウェル)が案山子の服を着て逃げ込んでくる。
一家はジョセフをかくまう事にした。
ジョセフと結ばれたアグネスは都会に出て二人で暮らし始める。
だが、都会の喧騒はアグネスには向かず精神に失調をきたしてしまい、実家へと戻る。
ジョセフもアグネスを追って戻るが、警察の手も迫っていた。
追い詰められたジョセフは断崖から飛び降りてしまう。
アグネスは悲しげに呟いた「カモメだったら良かったのに」。
余談=たしか手塚治虫が「キネマ旬報」にギラーミン監督作品では「かもめの城」が一番好きと書いていたと思う。記憶違いだったらゴメンなさい。
かもめの城