原題 ; L'ANIMAL(1978)
 監督 ; クロード・ジディ
 脚本 ; ミシェル・オーディアール、ドミニク・ファーブル、クロード・ジディ
 音楽 ; ウラディミール・コスマ
 出演 ; ジャン=ポール・ベルモンド、ラクエル・ウェルチ、シャルル・ジェラール
ジャン=ポール・ベルモンドが、トラブルメーカーのスタントマンと実はカマっぽい人気スターの二役を演じたアクション・コメディ。
マイク(ジャン=ポール・ベルモンド)とジェーン(ラクエル・ウェルチ)は映画のスタントマン。マイクは、撮影のためにジェーンとの結婚の予定も変更してしまう。
ジェーンはすっかりおかんむり。
撮影中にブレーキが故障して二人の乗った自動車は階段を転がって転落、重傷を負って病院送りとなってしまう。
マイクは病院で結婚式を挙げようとするが、怒ったジェーンが宣誓を拒否、彼の点滴まで切ってしまう。
マイクは彼女とヨリを戻そうとするが、うまくいかない。彼は金に困ってマネージャーのヒヤシンスと食い逃げを仕組む。ニセ電話をかけ仕事が入ったフリをしてツケにしてもらおうというのだ。店のマスターはお見通し。黙って騙されたフリをする。
マイクは、仕方なくスーパーでゴリラの着ぐるみをかぶってバイト。調子に乗って売り場を壊してしまいクビになる。
マイクは病気のフリをし近所の子供を自分の子供と偽って、福祉局から金をせしめてもいる。
世界的な大物スター、ブルーノ・フェラーリ(ジャン=ポール・ベルモンド二役)が撮影のために来仏。スタントマンは一切使わないと豪語する。
ところがこのブルーノ、実は臆病で梯子も登れない。極秘裏にスタントマンを使うことになり、瓜二つのマイクに白羽の矢が立つ。
製作者からの依頼をマイクからのニセ電話と勘違いしたヒヤシンスは法外な条件を吹っかける。
それでもスタントマンが必要な製作者はマイクを訪ねる。彼らを福祉局の役人と勘違いしたマイクは病人を装う。
仕事の依頼と知って今度は飛んだり撥ねたりして見せるが、それを福祉局が派遣した医者に見られてしまう。
最初はスパイ・カーで助手席を発射するスタント。タイミングが遅くてスタントウーマンは河に墜落。無事だったが撮影を降りてしまう。
どうもマイクがわざとやったらしく、彼は代わりにジェーンを推薦する。
マイクはジェーンを探して古城のパーティーへと行く。お堀を泳いで塀をよじ登り給仕に化けてパーティーに忍び込む。
城主のサンプリ伯爵はジェーンにぞっこん。勝手に結婚を決め込んでいる。
マイクはジェーンをなんとか説得、撮影を再開する。助手席が飛び出すスタントは見事に成功した。
次はマスクにマシンガンのサムライ集団との戦闘シーン。鮮やかに階段を転げ落ちるが撮り直しの連続でボロボロになる。
マイクはブルーノに化けてジェーンに接近。バースデイ・ケーキをプレゼントして機嫌を取る。
そこに本物のブルーノを呼び出し、入れ替わりにジェーンとブルーノの豪華アパルトメントにしけこむ。ジェーンは有頂天。
そこに本物のブルーノが帰ってきた。ホモのブルーノはマイクを見つけて追いかけまわす。マイクは慌てて退散。ジェーンが本物のブルーノに迫るが、女性には興味がないらしく追い返された。
翌日、ジェーンは嘘をついてブルーノと寝たとマイクに思い込ませる。
記者も立ち会っての空中アクション撮影。マイクは、ばれないようにブルーノとヘリの中で入れ替わってスタントに挑戦。ヘリからロープでぶら下がって、ジェーンの操縦するセスナに乗り移る。機外に立つスタントは見事成功。だが、機内に乗り込もうとして落下してしまう。
ジェーンは空中に飛び出してマイクを捕らえパラシュートを開く。
これもマイクが仕組んだこと。空中でジェーンに抱きつく。着地地点に記者が集まりスタントマンとばれてしまった。
強引なマイクに怒ったジェーンは、腹いせにサンプリ伯爵と結婚すると言い出す。
城で式が始まり、マイクはゴリラの姿で乗り込んでいく。結婚の宣誓が始まるがジェーンの答えはノー。ゴリラのぬいぐるみを着たマイクと区役所を目指すのだった。
少々そぐわない印象の妙な邦題なのだが、ベルモンドがオカマっぽいスターを演じることから、日本でもスマッシュ・ヒットとなったイタリアのゲイ・コメディー「Mr.レディ、Mr.マダム」にあやかろうとしたのだと思う。
スタントマンを使わないアクション・スター、ジャン=ポール・ベルモンドが、スタントマンとアクションが苦手なスターを演じること自体が一種のセルフ・パロディになっている。
全体的にまとまりにも盛り上がりにも欠けるのが残念なのだが、ベルモンドのキャラクターで気楽に楽しめる作品になっている。
ラクェル・ウェルチは見た目の華やかさが魅力だが、細かい演技はできないので主人公に対する愛憎が伝わってこないのが難点。
監督のクロード・ジディはレ・シャルロ主演の「クレイジー・ボーイ・シリーズで売り出した。ストーリー性よりもノリを重視したスプラスティック・コメディを得意としている。シュワルツェネッガーの「トゥルー・ライズ」の元ネタとなった作品も撮ったらしいのだが、日本未紹介。
ムッシュとマドモアゼル