原題 ; NEMO(1989)
 監督 ; ウィロアム・T・ハーツ、波多正美
 脚本 ; クリス・コロンバス、リチャード・オッテン
 音楽 ; トーマス・チェイス、スティーブ・ラッカー
 出演 ; (声)ガブリエル・デーモン、ミッキー・ルーニー、ルネ・オーベルジョノア
これは日本資本による製作だから実は邦画ということになる。
原作はウィンザー・マッケイによるコミック史上の名作「夢の国のリトル・ニモ」。
映画はセル・アニメで冒険ストーリーになっているため、原作の繊細なタッチやフワフワした浮遊感などが十分には表現できていない。
それでも原作に恥じない作品を作ろうという熱意の伝わってくる佳作となっている。
「ハリー・ポッター」シリーズのクリス・コロンバスが脚本に参加、スクリーン・コンセプトを「華氏451」「何かが道をやってくる」のレイ・ブラッドベリが担当、ストーリー・コンサルタント(どんな役割だ?)には「チャイナタウン」の名手ロバート・タウンが名を連ね、「メリー・ポピンズ」「シャーロットのおくりもの」のシャーマン兄弟がメリサ・マンチェスターの歌う主題歌を作詞作曲していたりと、バブルの時代を感じさせる豪華なつくりとなっている。
夜になるとベッドごと浮遊する夢を見るニモ少年。
ある日ニモは夢の中でジーニアス教授の訪問を受ける。
ジーニアス教授は、モルフェウス大王の使いでニモを夢の国スランバーランドに招待しに来たのだった。
ニモは大王から鍵と同じ印のついた扉は決して開けてはならないという「秘密の鍵」を渡され、プリンセスと結婚することになる。
プリンスになる教育で目の回る思いのニモを連れ出したのは、嫌われ者のフリップ。
フリップはニモをそそのかして開けてはならない扉を開けさせてしまう。
扉の向こうは暗黒のナイトメアランドだった。
ナイトメアランドから漏れ出した暗黒のうねりは戴冠式のパーティを襲いモルフェウス大王を連れ去ってしまう。
ここで目を覚ましたニモは、ママとの約束を破ってパイを食べようと冷蔵庫を開けるが、冷蔵庫から水が溢れ出して洪水になる。
ニモがベッドに乗って漂っていると、ジーニアス教授がカバンに乗って救いを求めてきた。
モルフェウス大王救出のためナイトメアランドへ船で向かうニモたち。
船は渦巻きで難破、打ち上げられたニモたちは襲ってきたゴブリンたちを魔法の笏で追い払ったものの、地図が濡れて使えなくなってしまう。
森の中をさまようニモたちは、ナイトメア大王が大嫌いという落ちこぼれゴブリンの案内を得て悪夢の国ナイトメアランドに辿り着く。
世界を悪夢で覆いつくそうと企むナイトメア大王の力で、プリンセスや教授たちは氷柱に閉じ込められてしまう。
天をついて立ち上がったナイトメア大王はニモに魔法の笏を渡せば見逃してやると迫る。
恐怖に震え上がるニモだが、勇気をふりしぼって大王に魔法の笏を突きつけ呪文を唱えるのだった。
ニモは力尽きて意識を失ってしまうが、同時にナイトメア大王も亀裂が入って崩れ去り亡んでいった。
氷柱から解放されたモルフェウス大王は、魔法の笏を手にして呪文を唱え、ニモの意識を取り戻させる。
息を吹き返して大王に約束を破ったことを謝るニモ。
大王はニモの勇気を称えるのだった。
ママの声で目を覚ましたニモ。今日は楽しみにしていたサーカスを見に行く日だ。
ニモはママに約束を破ってパイを食べようとしたことを謝るのだった。
ニモ