原題 ; ROBIN AND MARIAN(1976) |
監督 ; リチャード・レスター |
脚本 ; ジェームズ・ゴールドマン |
音楽 ; ジョン・バリー |
出演 ; ショーン・コネリー、オードリー・ヘプバーン、ロバート・ショー |
英雄ロビン・フッドの後日談、恋人マリアンとの最後の日々を描いた異色の傑作。 1967年の「暗くなるまで待って」以降、映画界を遠ざかっていたオードリー・へプバーンのカムバック作で、主演二人の渋い魅力が光っており、脇にも個性派俳優が揃い見ごたえのある作品となった。 十字軍に加わってヨーロッパに渡っていたロビン・フッド(ショーン・コネリー)とリトル・ジョン(ニコル・ウィリアムソン)。 ロビンは、ありもしない黄金の像を求める獅子王リチャード(リチャード・ハリス)対立、2人は投獄される。 リチャードは老人の投げた矢で受けた傷が元で死んでしまう。 解放されたロビンとリトル・ジョンは十八年ぶりにイギリスに帰国した。 シャーウッドの森の仲間たちは皆年老いても昔の気骨を失っておらず、ロビンたちを温かく迎えてくれた。 だが、国民は新王ジョン(イアン・ホルム)の圧政に苦しめられており、ロビンの宿敵であるノッキンガムの代官(ロバート・ショー)も今だ権力を振るっていた。 かっての恋人マリアン姫(オードリー・ヘプバーン)は修道院の院長になっていた。 マリアンは国王の追放命令に背いて修道院に残ったため逮捕されようとしていた。 ロビンは意地を張るマリアンを気絶させ代官の前から連れ去る。 翌日、マリアンたちが修道院に戻ると代官に尼僧が連れ去られていた。 荷馬車を買い取り、城下に乗り込むロビンとジョン。始めからロビンが目的の代官は罠を張って待ちかまえていた。 城壁内に閉じ込められてしまった二人は剣を抜くが年には勝てず、すぐに力尽きてしまう。 そこに駆けつけた仲間たちが藁を積んだ馬車を用意した。2人は城壁から藁に飛び降り脱出に成功する。 ロビンはマリアンとともに愛の日々を送るが、政情は悪化し民衆はロビンへの期待をつのらせていった。 ロビンは民衆の声に応え、彼らに戦闘の訓練を施し始める。 そのころジョン王の臣下ラノルフ卿は、王から軍勢を借りロビン討伐に乗り出していた。 軍は森の直前で野営し進攻しない。無謀を承知で打って出るロビン。 ロビンは代官に一騎打ちを申し込む。 一度は森を出たマリアンもロビンの身を案じ戻って見守る。 長い激戦の末、力尽きながらもロビンは代官を倒すが、自らも深手を負ってしまう。 マリアンとリトル・ジョンはロビンを修道院へと運ぶ。 マリアンは毒入りのワインを飲み、それをロビンにも与える。 毒を盛られたことに驚くロビン。 だがマリアンの深い愛情を知ったロビンは、愛する者とともに人生を閉じることに満足し、ジョンに矢の落ちたところに二人を葬ってくれと言い、最後の矢を空に向けて放った。 矢はシャーウッドの森の天空めがけて飛んで行くのだった。 リチャード・レスターらしい皮肉なタッチもあるが、ロマンティックさも強調された作品でジョン・バリーによる美しいメロディーも雰囲気を盛り上げている。 リチャード・レスターによるコスチューム・プレイの魅力は、あくまでヒロイックな物語なのだけど登場人物が生身を感じさせる描き方。 例えばシャーウッドの英雄たち、とか言っても野宿でごろ寝していて、朝起きたロビン・フッドが辛そうに腰をさすっていたりする。こういった描写の積み重ねが作品におかしさと厚みを与えている。 マリアンが、若い頃のお転婆な性格も残した女性として描かれているのも楽しい。 余談=この作品でカムバックしたオードリー・へプバーンは「華麗なる相続人」「ニューヨークの恋人たち」「おしゃれ泥棒2」「オールウェイズ」に出演した。残念ながら本作を超えるものはない。特に「おしゃれ泥棒2」は、題名とは裏腹に安手な秘境冒険物テレフューチャーとなっており、なんで出演したのか分からない作品。もしかしたら「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」のショーン・コネリーのように福祉活動の資金作りだったのかもしれないが。 |