原題 ; STAR SISTERS(1999) |
監督 ; トビアス・ファルク |
脚本 ; ヨハン・ボグーズ |
音楽 ; ミカエル・サンダン |
出演 ; テレーサ・ニーヴァ、ヴァニア・パメス・ルンドマルク、ファニー・キヴィメキ |
北欧の可愛い子役たち三人が魅力のスェーデン製ファミリー映画。 小品だが、Imdbによればデンマーク、ノルウェイ、フィンランドも製作に参加しているオール北欧な作品。 星の絆で結ばれた三人の少女の物語をオムニバス形式で描いたハートウォーミングな佳作。 同じ夜に生まれ、同じ名前を授けられた子供たちが一度出会えば、一生続く友情が生まれるという。 スェーデンの北のはずれの街。ある病院で三人の女の子が生まれ、三人ともヨハンナと名づけられた。三人は、それぞれの家で育てられ8年がすぎた。 一番目のヨハンナ(テレーサ・ニーヴァ)の夢は、バラ祭で気球をあげるパパと、その気球に乗ること。 それに気づかずママのソニアはバラ祭でヨハンナが歌うことを望んでいた。 歌の練習にも身が入らないヨハンナ。ママは高名な歌手でバラ祭での親子共演に関して取材も訪れていた。 うさ晴らしにママのピアノをドラムで邪魔するヨハンナ。とうとう布テープで自分の口をふさいでしまった。 医者はヨハンナが気球に乗った自分の絵をメモに描いたので、気球に乗りたいのだけど、ママをガッカリさせたくなくて言い出せないこと気づき、勇気を出すよう元気づける。 ヨハンナはテープをはがしたが、両親はなぜテープを張ったりしたのか聞いてくれない。 怒ったヨハンナは鍋のスープをママのピアノにぶちまけてしまう。 窓から抜け出しスキーをはいて出て行くヨハンナ。あわててパパが捜しに行く。 ヨハンナは雪原で転倒して気を失っているところをパパに発見されて病院に運ばれる。 医者は処方箋として両親に、ヨハンナが描いた気球の絵のメモを渡す。ようやく両親はヨハンナの望みに気づいた。 こうしてヨハンナはパパと気球に乗ることができたのだった。 もう一人のヨハンナ(ヴァニア・パメス・ルンドマルク)は、ママが出て行ってしまいパパと二人暮し。 パパは炭鉱で働いていた。ヨハンナの誕生日も仕事なので、ヨハンナはおじさん、おばさんと過ごさなければならない。 。 おじさんは温室でバラ祭用のバラを育てていた。彼もヨハンナと誕生日が同じで、67歳になる。 おじさんの提案でケーキを焼いて誕生祝いをすることにした。 ヨハンナはおじさんに、まだ出会えていない自分の分身がどこかにいる気がするという話をする。おじさんはどこかにヨハンナのスター・シスターがいるのかもしれないと言う。 その直後、おじさんは温室で急死してしまう。 おばさんは思い出の多い家を出ることにした。彼女は家の鍵を投げ捨ててしまう。 ヨハンナの家で暮らすおばさんは、部屋にこもってろくに食事もしない。 ヨハンナはおばさんの気を引こうと、わざと脚立から落ちて膝をすりむく。おばさんは黙って絆創膏を貼ると、そのまま部屋に引き上げてしまった。 「おじさんは心から消えないわ」。ヨハンナは、おじさんの遺品をおばさんに渡す。手袋、ハモニカ、クッキー。それぞれにまつわる思い出が甦る。 おじさんの死と向き合うことのできたおばさんは、ヨハンナを連れて自分の家へと戻っていく。鍵は捨ててしまったが、おばさんは力まかせに開けた。 パパも来て三人で誕生日を祝う。 すっかりバラの枯れてしまった温室に風が吹き抜ける。ヨハンナはおじさんに「誕生日おめでとう」と声をかける。すると吹き抜けた風がケーキのローソクを吹き消したのだった。 三人目のヨハンナ(ファニー・コヴィメキ)は歌が大好き。バラ祭のステージで歌うことが夢だった。 ママはバラ祭で売る造花のバラ作りに大忙し。ヨハンナが衣装を着て合唱団で歌いたいと言っても聞いてくれない。 そしてバラ祭当日、造花で飾った犬のマンノを連れて花の宣伝に回るヨハンナ。 気球のカゴからマンノの姿を見た一人目のヨハンナは、以前の自分みたいだと同情する。 ヨハンナは合唱に参加させてもらえないか聞きに行こうとする。その隙にマンノが逃げ出してしまった。 マンノを探すヨハンナ。それを見た一人目のヨハンナもついてきた。 途中で出会った二人目のヨハンナは、犬が山の方角に走るのを見たと言う。 三人はスノーモービルで捜しに行く。氷の張った湖を進むモービル。 そのころマンノは自由を謳歌して走り回っていた。 ヨハンナは造花のバラを見つけた。彼女はバラを拾うが、氷にひびが広がっていく。危ういところでモービルを走らせることができた。 日が暮れ始め、吹雪いてくる。三人はモービルが牽引していた小型テントに入った。 ヨハンナは合唱団に参加したくてマンノから目を離してしまったことを話す。二人はヨハンナの歌の上手さに感心する。 その時どこからか犬の鳴き声がした。外に出て捜す三人。その声を聞きつけてマンノがやって来た。 マンノを連れて帰り着いた三人。バラ祭のステージでは合唱が始まっていた。 指揮を取るソニアは客席で歌っていたヨハンナの歌声に気づきステージに上げた。こうしてヨハンナは夢を叶えることができた。 その夜、三人が一斉に名乗ると同じヨハンナだった。驚いて見つめあう三人、 スター・シスターの出会いに三人は乾杯する。友情は生涯続いたという。 75分強のランニング・タイムに3つのエピソードを描いているので、軽くまとまった印象。それぞれの夢を叶えていく少女たちが微笑ましく描かれてチャーミングな作品に仕上がっている。 |