製作 ; (1995)
 監督 ; 樋川恵一
 脚本 ; 小野田透、成瀬しのぶ
 音楽 ; 武田元彦
 出演 ; キューティー鈴木、尾崎魔弓、デビル雅美、ダイナマイト関西、福岡晶、渡辺裕之
当時のJWP全選手が出演しているというのがウリのビデオ用近未来アクション。
20××年の東京、多くの者が路上生活している。
デビルが仕切る一団のもとに一匹狼の尾崎がからんできた。尾崎は特にキューティーと犬猿の仲。
旧都庁ビルはバブル・ツイン・タワーと呼ばれる超高級マンションとなっていた。尾崎はそこに住むことを目指している。
そこに浮浪者を掃除する警察隊がやってきた。隊長(渡辺裕之)は48時間以内での退去を通達する。
尾崎は捨て子の赤ん坊を一人で育てており、誰にも頼らないことを心情にしている。
デビルは、尾崎が孤児で誰の助けも借りなかったのではなく、誰も助けてはくれなかったのだと知っていた。
そんな尾崎のもとに車椅子のミスター・ボリショイが配下を引き連れて現れ、悪いようにはしないと誘いかける。
ある日、元都庁ビル最上階の居住権を最強の者に永久譲渡するというチラシが配られた。
大喜びする女たち。
このイベントを影から操っているのはボリショイだった。
尾崎は関西を倒さない限り、永住権を手に入れることはできないと女たちを扇動、仲間割れをさせる。
この争いは警官隊の隊長が現れて、いつの間にか終わってしまう。この段階で勝ち残っていたのは八人。
隊長はミスター・ボリショイからのプレゼントだと言ってプロレスのコスチュームを配る。
ボリショイはこの地区最高の名士であり、ツインタワー最上階の持ち主だった。
最終的に試合にエントリーしたのは菅生裕美、外山寿美代、矢樹広弓、キューティー鈴木、能智房代、尾崎魔弓、キャンディー奥津、デビル雅美、福岡晶、ダイナマイト関西。
試合シーンがテキトーにダイジェストされる。タッグマッチの場面も混ざっていて、どんなルールで進行しているのかは全然わからない。
選手全員が同じリング上にいる場面もあって、バトルロワイヤル方式かとも思わせるが、他の場面ではそんな大人数で戦ってない。
試合とクロスして、選手たちそれぞれの想いがモノローグで語られていく。
結局、過去にJWPが行った試合の場面をテキトーにつないだだけで、勝敗も定かでない。
デビルは尾崎がボリショイの手先だと見抜いていた。
拾った捨て子である赤ん坊を守るためにも負けられないという尾崎の言葉に一同は躊躇する。
キューティーが尾崎に飛びかかったとき、テンガロンハットにポンチョの謎めいた女が現れた。
女は3日後に新法が施行され、ホームレスは新宿から一掃されることを告げる。ツインタワー最上階の賞品もエサにすぎなかった。
それを聞いた尾崎は詫びを入れ、関西は水に流す。
ボリショイが小銃を一同に向けた。銃弾に倒れたのはデビルだった。残った者たちが暴れ出し、ボリショイと部下を一瞬で倒した。
デビルは、関西に後を託し皆の面倒をみるように、ついでに全員にメッセージを残して息絶える。
謎の女は、ボリショイを操る黒幕の存在を告げた。強大な敵と戦うには全員が一致団結しなければならないと説得する。
キューティーは宿敵尾崎に手を差し伸べる。勝利の日まで休戦する二人。
女は伝説のレジスタンス、エンジェルの一員だった。彼女は同志として戦うことを宣言する。
一気に攻め込むため、戦士たちは旧都庁ビルを目指すのだった。TO BE CONTINUED
って赤ん坊は置き去りか。もちろん続編も作られていない。
予算が少ないのは分かるが、もう少し工夫があっても良かったと思う。
ひいきのレスラーが出ていれば満足というマニアックなファン以外には勧められない作品。
ストーリーは突っ込むこと自体が無意味と思えるテキトーなもの。演技が素人なのは仕方がないとしても、肝心の格闘シーンが寄せ集めのフッテージを適当に繋げただけというやる気のなさは救いようがない。
正味50分弱の短編で、メイキングが20分弱付いていて、こちらのインタビューではさすがにみんなナチュラルな喋り方をしている。

エンジェル・ファイターズ 風と天使の街