原題 ; THE APOCALYPSE(1997)
 監督 ; ハバート.C・デ・ラ・ブリエリ
 脚本 ; J・レイフェル
 音楽 ; エリック・コルヴィン
 出演 ; サンドラ・バーンハード、キャメロン・ダイ、ローラ・サン・ジャコモ
ストーリーは支離滅裂で緊張感もないというSFアクションの最低作。
とにかく脚本の出来が悪く、1950年代ならまだしも1990年代も後半にこんなストーリーで映画を作ってしまう神経が分からない。
乗組員14名が冷凍睡眠しているアガメムノン号。
一人の女ゴード(ローラ・サン・ジャコモ)が睡眠から覚めるのだが、カメラ目線で独白したりして変な感じ。
ゴードは発狂した天才プログラマーという設定。シェークスピアとか引用しつつ軍の宇宙船を破壊、地球を目指す。
サルベージ宇宙船サルバー号の女船長ウェイン(サンドラ・バーンハード)は副官シュアルツからアガメムノン号発見の報を聞き、急遽出発準備を始める。アガメムノン号に積まれている核燃料には莫大な価値があるらしい。
休暇中のため乗組員が集まらず、ならず者ヴェンドラー(フランク・ザカリーノ)一派を乗り込ませねばならなかった。
ヴェンドラーは、はなから宇宙船乗っ取りを企んでいる。
作業が開始され、船員たちがアガメムノン号に乗り込んでいく。乗組員は全滅していた。
ゴード本人がどうなったのかは描かれない。以降ゴードは、コンピューター・ディスプレイの映像としてのみ登場する。
ヴェンドラーの部下ノエルがコンピューター再起動を試みるが、パスワードが分からず失敗。以降ノエルは、終盤までパスワードを入力し続ける。
ヴェンドラー一派の反乱が始まり乗組員が次々に殺されていく。生き残ったのはアガメムノン号内の新米レノン(キャメロン・ダイ)とサルバー号を操縦するウェインのみ。
ウェインはサルバー号でアガメムノン号を追跡する。アガメムノン号はまっすぐ地球に向かい続けていた。
アガメムノン号内に磁気が発生しており、地球到達とほぼ同時刻の70分後には核燃料が爆発する。太陽エネルギー並みの爆発が予想された。
ウェインはサルバー号をドッキングさせてレノンを救出するが、サルバー号も制御不能になってしまう。ウェインは、ゴードがアガメムノン号を地球をを破壊する核爆弾としてプログラムしたことに気づく。ウェインとレノンは再びメインコンピューターを止めに行く。
ヴェンドラーたちと銃撃戦を繰りひろげながらも制御室に辿り着いた二人。データを狂わせても制御室を破壊してもカウントダウンを止めることはできない。敵の残りもヴェンドラー一人になっていた。
結局二人ともヴェンドラーに捕まってしまう。二人はサルバー号をドッキングさせたままの状態で発進させてアガメムノン号を破壊する作戦をたてる。
閉じ込められている檻を開けさせるにはヴェンドラーを激怒させることだ、とエッチするフリをする二人。まんまと引っかかったヴェンドラーは二人に逃げられてしまう。
地球到達まであと2分というのに戦い続けているのが、なんだかマヌケっぽい。とにかくヴェンダーを仕留めた。
ついに二人は地球目前でアガメムノン号のエンジン爆破に成功。二人はサルバー号で脱出した。
ラストはディスプレイに映ったゴードが「終わり良ければ全て良し」と言う、訳の分からないセリフ。
「ハドソンホーク」の悪役や「アリーmylove」のゲスト出演などバイプレイヤーとして強烈な個性を発揮するサンドラ・バーンハードだが、主役を張るタイプではなかった。
もっともストーリーがひどくて俳優の力ではどうにもならないようにも思える作品でもある。
犯人ゴードの意図が不明だし、本人がどうなったのかも描かれない。
核燃料の争奪戦ということなのだが、誰もその燃料を回収しようとはしないし、タイムリミット・サスペンスの設定なのに少しも緊張感が盛り上がらない。
クライマックスは、すでにカウントがゼロになっているし、地球の引力圏に入っちゃっているように見える。核燃料が爆発するという話もどうなったのかよく分からない。
制御できなくなっていたはずの宇宙船で脱出するのも不思議。結局全てはゴードの悪戯だったというオチのつもりなのだろうか。

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