原題 ; BOOGIE BOY(1997)
 監督 ; クレイグ・ハマン
 脚本 ; クレイグ・ハマン
 音楽 ; ティム・トルーマン
 出演 ; マーク・ダカスコス、エミリー・ロイド、フレデリック・フォレスト、トレイシー・ローズ
オフビートなタッチのクライム・アクションというか、ちょっと変わった雰囲気の犯罪映画。
スタイリッシュとまではいかないB級アクションなのだが、独特な味わいがあって捨てがたい気がする作品.。
トレイシー・ローズがZ級ホラーの常連女優役だったり、ロック歌手役で元ランナウェイズのジョーン・ジェットが顔を出したりと楽屋落ち的なお遊びが見られるのも特徴。
刑期を終えて出所したジェシー(マーク・ダカスコス)は務所仲間ラリー(ジェームズ・ウールベット)に迎えられた。
ラリーは、ブリーズ、ションダ(トレイシー・ローズ)、Tボーンといった仲間たちをジェシーに紹介する。
 もともとドラマーだったジェシーは、倒れたメンバーの代役でライブに飛び入り参加。
ヴォーカルのジャーク(ジョーン・ジェット)に気に入られたジェシーは、デトロイトのライブに誘われる。
一方、ラリーは、ジェシーに麻薬取引の護衛を無理に頼み込む。
取引相手が銃を抜こうとしたのを見咎めたジェシーは素早く組み付き、銃撃戦となる。バッグの中も金の替わりにボロ布が詰められていた。
敵全員を倒したものの、ブリーズが負傷してしまう。
黒幕がいると踏んだジェシーは、仲間に姿を隠すよう指示すると自分もラリーを連れてロスを出る。二人は、エドセル(フレデリック・フォレスト)夫妻の経営するモーテルに転がり込んだ。
ジェシーはツアーに参加するため、3日後までにはデトロイトに行かなければならない。
エドセルは洗濯ロープにボードを乗っけてサーフィンする変人だが、ジェシーとは妙にウマが合う。若妻のヘスター(エミリー・ロイド)はモーテルを逃げ出したがっている。
一方、ロスでは二人のギャングがラリーたちの行方を追っていた。
禁断症状に苦しむラリーはブリーズに麻薬調達の連絡を入れるが、すでに敵の手が回っていた。
へスターは、ジェシーに連れて逃げてほしいと言い出す。困ったジェシーはバイク三人乗りで出発すようとする。
エドセルは止めもしない。ブリーズが麻薬を持ってくるのを待っているラリーは、行かないと言い出す。
エドセルはノミ屋から奪った金を隠していた。へスターはいつでも出て行けたが、金が狙いで残っていたのだ。
いさかいに嫌気がさして一人でデトロイトに行くことにするジェシー。エドセルは餞別に札束を一つ渡す。
ジェシーが荷物を取りに部屋に戻ったとき、ギャングたちが侵入してきた。二人は取引で死んだ男たちの兄だった。
すでにブリーズたちは皆殺しにしたが、ジェシーを売れば助けるとラリーに迫る。
麻薬をちらつかされてジェシーの居場所を喋るラリー。
ジェシーは隙を突いて飛び掛り、乱闘の末二人を倒す。エドセルは戦いの中で命を落とした。
生き残ったラリーとへスターに、金と麻薬の入ったバッグと弾丸一発を装填した銃を残し、ジェシーは「分けるも独り占めにするも、好きにしろ」と言って去っていく。
ジェシーがバイクにまたがったとき、屋内から一発の銃声が響いたのだった。
余談=製作は「パルプ・フィクション」のストーリーや「トゥルー・ロマンス」の脚本を担当したロジャー・エイヴァリー。彼は「レザボア・ドッグス」劇中に流れるラジオ放送のセリフを書いたそうで、その声を担当したのが本作の監督クレイグ・ハマンだった。という繋がりがあるらしい。
迫撃者