エイリアン・ハザード

 原題 ; BIOHAZARD(1982)
 監督 ; フレッド・オーレン・レイ
 脚本 ; フレッド・オーレン・レイ
 音楽 ; エリック・ラスムッセン、ドロウ・ニューマン
 出演 ; アルド・レイ、アンジェリーク・ペティジョン、ウィリアム・フェア
異世界からやってきたエイリアンが次々と人間を襲う最低SFホラー。
米軍基地で超能力を持つリサ・マーティン(アンジェリーク・ペティジョン)がテストを受けている。
リサは予知のほか、別世界から物を運ぶ力を持っていた。
現場の警備にマイケル・カーター(ウィリアム・フェア)が呼ばれる。
脳波増幅器を使った実験が開始され、1メートル半くらいの箱が物質転送されてきた。
リサは、その中に何かいると直感する。
将軍は箱の移送を決定、ジープで運び出された。
2台のジープで走行中、箱から飛び出た怪物が兵士一人を殺して逃亡する。
将軍は飛行機に乗り遅れると事態を無視。
カーターが実験場に戻ると、博士があのデブ将軍のせいで科学史上最大の発見が野放しになったと激怒していた。
博士は、たいしたことではないが箱からかなりの放射能を検出したという。
大量の放射能だったら大問題と思うが、とにかくカーターは放射能の痕跡を追跡することにする。
とりあえずカーターはリサの手料理で腹ごしらえ。腹が減っては戦はできぬというが、なんとも悠長な描写。と思ったらエッチまで始めようとして危機感ゼロ。でも電話がかかってストップ。
箱の中で妙な物体が見つかり、大きくなっているという。
表に出たリサが何かの気配を感知するが、カーターは無視して実験場に向かう。そのため隣に住む夫婦がエイリアンの犠牲になる。
二人が到着すると物体はさらに大きくなっていた。リサの観察では、物体が成長しているのではなく、開きかけているのだった。
カーターは中身が毒ガスだと困ると言い出し、金づちでフタを潰そうとする。意見は分かるが行動が粗雑。
結局、中からツチノコ状の怪生物が出てきてしまう。
のんびり見ているうちに怪生物は助手に襲いかかる。あわててカーターが怪生物を殺したが、助手も喉を噛み破られて重傷を負う。
一方、エイリアンはキャンプ場を襲撃していたしていた。具体的なショック描写はなし。
マヌケにもエイリアンは中年夫婦が乗った車に轢かれてしまう。動かなくなったエイリアンを見て、夫ジャックはこれを利用すれば金持ちになれると大喜び。
やって来た政府関係者デッカーは、のんびり座っているカーターに文句を言う。見ておる方も、その通りだって気持ちになる。
ジャックは保安官に連絡を取っていた。
カーターとリサもようやく行動を開始する。
ジャックは保安官にエイリアンの死体を見せようとする。保安官が地下室に入ると何もなかった。
それを聞いたジャックが地下室に降り、エイリアンに襲われる。叫びを聞いた保安官が覗きこむと、血まみれのジャックが出て来て息絶えた。
続いて現れたエイリアン。保安官が銃を構える。ジャックの妻が叫び声をあげたため、エイリアンは姿を消す。
そこにカーターとリサが駆けつけてきた。二人はガイガーカウンターでエイリアンを追う。
二人は途中でゴミ箱あさりの男に出会った。男が拾ったのは「E.T.」のポスター。
この男もエイリアンの犠牲になる。男を殺したあと、エイリアンはポスターを破いてふんづける。
リサは浮浪者が集まるビル地下にエイリアンが向かっていると感知。二人が到着すると、なぜか他の者たちも集合している。カーターのライバル、リガーもいた。
ビルの地下を捜索開始。次々と犠牲になり、リガーもあっさり殺される。
カーターも襲われたがショットガンで応酬。ふっとんだエイリアンは配電盤で感電して死ぬ。
カーターがリサの元に戻ると、護衛に残した男が首の骨を折られて死んでいた。
「緊張と敵意の元で戦闘部隊がどうなるか調査していた」突然、リサが説明し始める。エイリアンはリサが作り出した戦闘用兵士だった。
リサが自らの皮膚を引き破ると、中から爬虫類タイプの怪物が現れる。
「そんなバカな。やってられねえや」観客を代表するようなカーターのセリフで唐突に映画は終わり、NG集へと画面は変わる。
最低監督として名高いフレッド・オーレン・レイだが、これは本当にひどい出来栄え。
ストーリー展開は支離滅裂で、しかも緊張感ゼロ。
箱から二番目にでてきた生物はなんだったのか。
オチもデタラメなのだが、観客の脱力感を主人公に代弁させるというのは、開いた口がふさがれない。
(まさか洒落た決めゼリフのつもりだったわけではないだろう)