原題 ; BLOODSTONE(1988)
 監督 ; ドワイト・H・リトル
 脚本 ; ニコ・マストラキス、カート・アレン
 音楽 ; トム・マロルダ
 出演 ; ラジニカーント、ブレッド・スタイムリー、アンナ・ニコラス、チャーリー・フリル
インドを舞台に宝石の争奪戦が繰り広げられる冒険アクション。「ムトウ踊るマハラジャ」のインドの大スター、ラジニカーントがムトウに先がけてハリウッド進出を果たした(?)作品。
1221年インドでマハラジャの娘が死んだ。彼女の死に捧げられたのが巨大なルビー、ブラッドストーンだった。
そして現代、インドを新婚旅行中のサンディ・マクヴェイ(ブレッド・スタイムリー)とステファニー(アンナ・ニコラス)は、列車でポール・ローリと名乗る男と出会う。
ポールは、ロンドンでブラッドストーンを盗み逃亡中だった。
駅で検問が行われているのを見た彼は、ブラッドストーンをステファニーの荷物に隠す。
ポールは歯ブラシの密輸容疑で逮捕されたが、仲間にサンディ夫妻を追わせる。
サンディたちが乗り込んだのは、シャム・サブー(ラジニカーント)が運転するタクシーだった。
シャムのタクシーが襲撃されるが、彼は見事にやっつけてしまう。シャムはタクシーのトランクにブラッドストーンが落ちているのを見つけた。
ポールの仲間がサンディ夫婦をつけまわすが、返り討ちにあう。
だが、サンディ夫妻は街で襲撃され、ステファニーが連れ去られてしまう。
ヤケを起こして酔いつぶれたサンディにシャムが接触。二人はポールの部屋に押し入る。ポールは買い手を捜していたこそ泥に過ぎず、ブラッドストーンを狙っている黒幕はヴァンホーヴェン(クリストファー・ニーム)だった。ポールは敵の手にかかり殺されてしまう。
ヴァンホーヴェンからステファニーとブラッドストーンを交換する申し入れがあった。
シャムがブラッドストーンを持っていたことを知ったサンディは激怒するが、結局手を組み共闘することになった。
ジャングルの中を交換場所へと向かう二人。サンディは要求通りブラッドストーンを渡そうとするが、待ち構えていたのは武装した集団だった。
サンディは捕まり、シャムは激流へと飛び込む。
兵隊どもがブラッドストーンを手にバカ騒ぎする中、サンディはロープを切っていた。そこに銃を持ってシャムがやって来た。
敵をなぎ倒した二人は、ヴァンホーヴェンの居場所と隠し通路を聞き出す。秘密の地下道から侵入した二人は、番兵を倒しヴァンホーヴェンたちがいる広間に迫る。
途中で発見され二人は捕まってしまう。しかもブラッドストーンは偽物だった。
ヴァンホーヴェンは二人を射殺しようとするが、ステファニーが飛びついて阻止。乱戦となる。
サンディとヴァンホーヴェンは剣での戦いになる。一方、警察も乱入してきた。
ステファニーが後ろからヴァンホーヴェンの頭にツボを振り下ろして戦いに決着をつけた。
ヴァンホーヴェンは逮捕され多くの盗難品が押収されたが、ブラッドストーンの行方だけは分からなかった。
ある日、サンディは真相に気づく、シャムがすり替えていたのだ。シャムを見つけ出し、彼と山分けの交渉が成立したとき、警察が踏み込んできた。
結局ルビーは国に返還される。しかし、三人は700万ルピーの報奨金を手にすることになった。
インドの市場を意識したのか、意外とラジニカーントの出番が多かった(さすがに歌と踊りはないが)。それは良いのだが、他の顔ぶれはなんとも寂しい。主人公たちも悪党もインパクトが弱い。
「ホワイトハウスの陰謀」「死の標的」では手堅い手腕を見せたドワイト・H・リトルの演出も、ここでは凡庸。アクション・シーンにもキレがない。
内容からいってインディ・ジョーンズ・シリーズよりも「ロマンシング・ストーン秘宝の谷」を意識しているように思えたが、あまり出来の良くなかった続編「ナイルの宝石」に比べても見劣りする作品。
インディアナ・アドベンチャー/
ブラッドストーンの謎