原題 ; SLEEPAWAY CAMP U/UNHAPPY CAMPERS(1988)
 監督 ; マイケル・A・シンプソン
 脚本 ; フリッツ・ゴードン
 音楽 ; ジェームズ・オリベリオ
 出演 ; パメラ・スプリングスティーン、レネ・エステヴェス、トニー・ヒギンズ
ブルース・スプリングスティーンの妹パメラが殺人鬼を、マーチン・シーンの娘レネがヒロインを演じてエクスプロイテーションの典型と呼ばれたスプラッター映画。
このキャスティングがまず失敗でラテン顔のレネはおとなしい娘に見えないし、パメラも殺人鬼の狂気を感じさせない。
内容もかなりおバカで、下手なイラストに顔写真はめ込んだビデオ・ジャケットからして脱力感に満ちている。
あるキャンプ場で30人の子供たちが皆殺しになり、犯人はいじめられていた少女だった。少女は実は男で幼少の頃から女装させられて育てられていた。犯人は精神病院に収容され、そこで性転換手術を受けて女になり退院した。
以上の内容が冒頭にキャンプの怪談として語られる。無茶苦茶な話だが1作目のストーリーと後日談なのだろう。展開する本編のストーリーも負けず劣らずデタラメ。
ローリング・ヒル・キャンプ場の指導員アンジェラ(パメラ・スプリングスティーン)は、ベスト指導員に選ばれるほど優秀。違反する子供は容赦なく殺してしまう。
何しろキャンプで羽目をはずしたい子供たちだから殺す相手には事欠かない。
夜、男子のところで怪談話をしていた少女、森の中で酒と麻薬にふけっていた姉妹、謝るくらいなら死んだほうがマシとふてくされる少女、殺人鬼に扮してアンジェラを脅そうとした男子二人。とにかく片っ端から殺していしまい、キャンプ経営者には素行が悪いので自宅に帰したと報告しておく。
おとなしいモリー(レネ・エステヴェス)だけはお気に入りで、憧れのショーン(トニー・ヒギンズ)を争っていたアリー(ヴァレリー・ハートマン)を便所に沈めて殺してあげたりする。
とにかく殺人シーンだけは大サービスなのだが、多すぎるとありがたみが薄れると言うか、あっさり殺していくので全然怖くない。そんな中で屋外トイレの便壷に落とされるアリーの描写だけはやけに克明で、顔を茶色に塗ってもがき続ける。その後の死体シーンでも顔に汚物を張り付けていて撮影中に監督の恨みでも買ったかと思えるほど気の毒。
友人宅に電話して戻っていないことに気づいた少女、そこに帰ってきた少女と殺人はエスカレート。あまり勝手に生徒を帰してしまうことでアンジェラはクビになる。
天職を失って嘆くアンジェラを慰めようとしたモリーとショーンは、使っていないはずの小屋が死体で溢れているのを見てしまう。二人を縛り上げるアンジェラ。
ショーンはアンジェラの正体が死の天使と呼ばれた殺人鬼ピーター・ベイカーであることに気づくが首をはねられてしまう。
モリーは縄を解いて逃げ出すが崖から落ちてしまう。殺人狂のアンジェラだが、刺されてもなぜかモリーにだけは寛大で「あなただけが慰めだった」と言い残して立ち去る。
アンジェラは残った人間を皆殺しにしてキャンプ場を出る。ヒッチハイクで乗せてくれた女が喫煙者だったことから、これも殺害。
気絶しただけだったモリーが道に出て止めた車の運転者はアンジェラだった.。
余談=原題通りシリーズ2作目で、このシリーズは今のところ4作まで作られている。主人公は全てアンジェラ・ベイカー。1,4作は、それぞれ違う女優が演じているが3作目にはパメラ・スプリングスティーンが再登板している。日本に紹介されているのは本作のみの模様。
レディ・ジェイソン/地獄のキャンプ