原題 ; DEAD MEN DON’T DIE(1990)
 監督 ; マルコム・マーモスタイン
 脚本 ; マルコム・マーモスタイン
 音楽 ; デヴィッド・C・ウィリアムズ
 出演 ; エリオット・グールド、メリッサ・スー・アンダーソン、マーク・モーゼス
ゾンビを主人公にした作品だが、ホラー・コメディーではなくアクション・コメディーになっているのが特徴。
ニュースキャスターのバリー・バロン(エリオット・グールド)はテレビ局の地下駐車場で麻薬密売犯三人の会話を聞きつけ、これはスクープ!と追跡。犯人に見つかって銃で蜂の巣にされてしまう。
死体の第一発見者は同じ番組のキャスター、ドロシー・ナイルズ(メリッサ・スー・アンダーソン)。ところが警察に通報してビデオカメラを用意、現場に戻ると死体がない。
バリーのファンだった清掃婦のチャフカ(メイベル・キング)が持ち去ってしまったのだ。彼女はブードー卿のマニアであり、清掃員控え室の奥には祭壇がしつらえてあった。
これはチャンスとばかりにゾンビ蘇生を試みる。
警察はドロシーの狂言と決めつけるが、コネで刑事になったマヌケなジョーダン・ペネローズ(マーク・モーゼス)を厄介払いに置いていく。
甦ったバリーは、スローモーなゾンビ動きに白塗りの顔で、まともに喋れない。
マネージャーに成りすましたチャフカが収録現場に立会う。どんな呪文を使ったのか分からないが、チャフカが原稿を読むと、同じ言葉だけはバリーも明瞭に復唱できる。
ところが肝心のチャフカがまともに原稿を読めず、しかもドロシーの分まで喋ってしまうので番組は大混乱。
一方、テレビを見た犯人たちは、彼が生きていると思ってビックリ。再びテレビ局でバリーを蜂の巣にする。もちろんゾンビだから平気。
居合わせたジョーダン刑事は死体が消えてビックリ。ドロシーとともに捜査を開始する。
またも生き返ったバリーを殺そうとする犯人の一人カルロス。彼が銃を抜こうとした手をバリーが押さえたため、自分を撃ってしまう。
ばれたら大ごとになるとチャフカは、カルロスもゾンビにしてしまう。しかもカルロスは仲間のフランクを絞殺してしまい、またゾンビが一体増える。
バリーのメモから犯人の部屋を知ったドロシーとジョーダンは山積みになった麻薬を発見、最後の一人マンゴを倒すが、そこに組織の幹部ノーランがやってきた。
カルロスとフランクのゾンビに驚いたノーランは逃げ出し、マンゴは揉みあって感電死。またまたゾンビに。
ドロシーとジョーダンはテレビ局の社長に事件を報告するが、彼こそ黒幕だった。
自分の愛人イサドラも含めて真相を知った三人を始末しようと車で出発する社長たち。チャフカはバリーたち4体のゾンビを連れてオープン・カーで追跡。
部下ゾンビ三人が社長の車に乗り移り、ドロシーたち三人はオープンカーへと乗り移る。
ここが映画のクライマックスなのだが、計6人も移動するため間延びした展開になってしまっている。
その直後、社長たちの車は壁に衝突して大破した。
チャフカは社長とノーランもゾンビにしてテレビ会社を乗っ取り、ジョーダンは副社長に、バリーとドロシーの番組は継続。イサドラも念願のレポーターになれた。
社長室のクローゼットでは犯人一味5体のゾンビが押し合いへしあいしているのだった。
「マッシュ」「ロンググッドバイ」などで独特な持ち味を発揮、現在もバイ・プレイヤーとして達者な演技を披露しているエリオット・グールドだが、本作では白塗りで動きがぎこちなく口も回らないゾンビ役とあって本来の軽妙な演技を披露できずにいる。
全体としては、とぼけた味わいで憎めない部分もあるのだが、死体を発見して騒いだら無くなっている、という繰り返しギャグは不発に終わり、中途半端な作品となっている。
余談=メリッサ・スー・アンダーソンは「大草原の小さな家」の長女が当り役。その後は作品に恵まれず、活躍していない。後年はメリッサ・アンダーソンの名義で出演することが多く、本作もその名でクレジットされている。
ゾンビはニュースキャスター