原題 ; FATAL GAMES(1983) |
監督 ; マイケル・エリオット |
脚本 ; ラファエル・ブニュエル、マイケル・エリオット、クリストファー・マンキーウィッツ |
音楽 ; シュキ・レヴィ |
出演 ; サリー・カークランド、リン・バナシェック、ショーン・マスターソン |
国体出場が決まり、オリンピックを目指す選手たちが次々と殺されるスプラッター・ホラー。 マサチューセツのファルコン体育学園、その中でも優秀で国体出場が決定した7人の選手たち。目標はオリンピックというメンバーだが、おツムのほうは問題あって記念パーティーで綱引き始めちゃうような連中。 まず一人でウェイトリフティングしていたナンシーが槍で刺し殺されるのだが、この場面からして変。バーベルを持ち上げていたところを、飛んできた槍が刺さって壁に宙つりになってしまう。これ自体無理だと思うし、バーベルが落ちた描写もない。 まだドーピング検査が厳しくない時代なのか、担当医師は薬物投与に燃えており、看護婦のダイアン(サリー・カークランド)と対立している。 次にサウナで寝込んでいたスーが襲われ、全裸で逃げまどうが、やっぱり串刺し。 この映画、シャワーにマッサージに着替えにベッド・シーンと、必要以上にヌード・シーンの多いのが特徴。サービス精神旺盛と言っておこう。 3人目の犠牲者はジョー。真昼間のグラウンドで殺されるのだが、犯人は遥か彼方のスコアボード上から槍を投げて一撃で仕留めるという超人技を披露する。 しかもこの犯人、全ての死体を運んで隠しているのだが、決して目撃されない。 アニー(リン・バナシェック)が薬物の副作用で倒れ、フランクは足を負傷、トラブルが続く。 リンは水泳中に殺される。これまたクロールで泳いでいて胸を槍で刺されるという不可解な死に方。犯人はずーっと水中にいたのか。 残った者たちは行方不明者を心配するが、警察に届けたりはしない。 真夜中の体育館に忍び込んだフランクは、ロッカーの中の死体を発見するが殺されてしまう。 続いて忍び込んだアニーも犯人に襲われて負傷する。 ボーイフレンドのフィルは医務室にアニーを連れて行く。しかし看護婦のダイアンこそ犯人だった。 ダイアンは性転換手術を受けため、資格を失いメダルを剥奪されたスポーツ選手だった。嫉妬心からオリンピック候補選手を片っ端から殺害していたのだ。 ダイアンは講堂に組まれたやぐらにアニーを追いつめるが転落、壇上に置いてあったトロフィーに貫かれて死ぬのだった。 性同一症候群という言葉さえ一般的ではなかった時代の作品だが、この犯人は試合を有利にするためだけに性転換したらしいのでどちらにしても同情の余地はない。 監督のマイケル・エリオットが医師役で出演じている。 この手の作品には多いことだが、殺戮シーンは無理が多く不可能に思え、それをつなぐドラマ部分は中身が薄い。薬物投与の話なんて中途半端すぎてないほうが良かったかも。 それでも本作は奇をてらわないストレートな演出が功を奏し、まあ普通に見ていられる出来となった(いかにこの手の作品にマトモじゃないのが多いかということだが)。 余談=サリー・カークランドは、無名時代に「追憶」「スティング」「弾丸を噛め」など多くの作品に出演、1987年には「アンナ」という私の観ていない作品で各賞を受賞、アカデミー主演女優賞にもノミネートされた実力派の中堅女優。でも、なんだか影の薄い女優さんで他の主演作も観ているのだが、近年の「エドtv」や「ブルース・オールマイティ」ではどこに出ていたか分からなかった。 |