原題 ; THE HEIST(1989)
 監督 ; スチュアート・オーメ
 脚本 ; ウィリアム・アイリッシュ・Jr.、デヴィッド・フラー、リック・ナトキン
 音楽 ; アーサー・B・ルビンシュタイン
 出演 ; ピアース・ブロスナン、トム・スケリット、ウェンディ・ヒューズ
人気シリーズ「探偵レミントン・スティール」を終えたピアース・ブロスナンが主演したテレフューチャーの犯罪サスペンス。
刑務所を出所したニール・スキナー(ピアース・ブロスナン)は、警備会社の社長エベット・バーンズ(トム・スケリット)を訪ねる。
スキナーは警備会社の共同経営者だったが、宝石の密輸という無実の罪で投獄された。彼は、バーンズの仕組んだことだと踏んでいたのだ。
次にスキナーは、警備員スタッキー、引退した騎手のラミレス、救急車の運転手ダンサーなど、以前の親友たちに声をかける。
スキナーは、バーンズの会社が警備する競馬場の下見を始める。スタッキーらと共に売上金の強奪を企み始めたのだ。
警備会社の幹部でスキナーの元恋人シーラ(ウェンディ・ヒューズ)は、彼の無罪を信じていなかった。
スキナーは競馬場を襲ってバーンズが黙認すれば自分の無実が証明されると彼女に言う。
シーラからの情報を得たバーンズだが、どこまでが罠なのか迷う。
一方、スキナーたちに、出獄してきたムショ仲間ケイヴが加わった。
いよいよ決行当日、スキナーは派手なアロハを着て競馬場に乗り込む。警備員が監視するが、スキナーは同じアロハの男を大量に動員していた。
警備員をまいたところでスキナーはシャツを着替えてしまう。(ちょっとルパン三世第一シリーズ「どっちが勝つか三代目」を思い出させる展開)
スタッキーは警備員詰め所のコントロール・パネルにコーヒーを流し込んでショートさせる。
スキナーはモヒカン頭にサングラスのマスクをかぶって警備員を襲う。スタッキーもロッカーに閉じ込められたと偽装する。
現金の保管室に銃を持って乗り込んだスキナーは強奪に成功。
レースでラミレスが落馬してダンサーの救急車が出動、現金を運び出す手筈だった。
ところが本気になったラミレスは一位で完走してしまう。
そのころスキナーはバーンズたちに捕まっていた。だが、スキナーは金を持っていなかった。
金はスタッキーが運んでいた。ケイヴが移民局の取締りを装ってラミレスを逮捕、金を競馬場から持ち出す。
スキナーを裏切ってバーンズに情報を流していたシーラは、金の独り占めを企んでいた。今度はバーンズ裏切って逃走する。
あわててメキシコの国境を越え金を取り戻しに行くバーンズ。だが、シーラの裏切りは罠だった。
バーンズの車にはエメラルドが隠されていた。密輸の罪で逮捕された彼にスキナーとシーラは手を振って去っていく。
競馬場にはスキナーからの奪った金を返すという連絡が入ったのだった。
どうも目的は金ではなく、警備会社を取り戻すことだったというオチらしいのだが、はっきりとは描かれていない。
最低映画というほどひどくはないが、ピアース・ブロスナンは従来の軽妙で洒落た持ち味が生かされていない。トム・スケリット演じる悪役は中途半端な印象だし、ウェンディ・ヒューズも華やかさに欠ける。
ストーリーも大味で緊張感に欠け、結末もピンとこない。といった具合に全ての面で凡庸な作品。
個人的には、突っ込みどころを満載した最低映画のほうが楽しめたりする。
トラップ・ゲーム