原題 ; THE KINDRED(1987) |
監督 ; ジェフリー・オブロウ、スティーヴン・カーペンター |
脚本 ; ジェフリー・オブロウ、スティーヴン・カーペンター、ジョン・ペニー、 アール・ガファリー、ジョセフ・ステファノ |
音楽 ; デヴィッド・ニューマン |
出演 ; デヴィッド・アレン・ブルックス、ロッド・スタイガー、アマンダ・ペイズ、キム・ハンター |
車を暴走させた男がプレハブに突っ込み重傷を負う。彼を搬送中の救急車が襲撃され、何者かが連れ去っていく。 遺伝子工学研究所に勤めるジョン(デヴィッド・アレン・ブルックス)は、昏睡状態にあった母アマンダ(キム・ハンター)の意識が回復したと病院に呼び出される。研究所のロイド教授(ロッド・スタイガー)の元には、先ほどの男の遺体が運び込まれていた。 同じ研究所の科学者だったアマンダは「ヘモシアニン」という物質に関する資料を全て焼き捨てるよう息子に託す。彼女の意識は混乱し、ジョンに弟のアンソニーがいると言い出す。 ロイド教授は、口止め料を要求した手下を実験動物の部屋に閉じ込める。そこには半ばクリーチャー化した人間たちがいて襲ってきた。 ジョンからアンソニーの名を聞いたロイドはアマンダの病室を訪ねた。彼女は4体のアンソニーを作っていたと告白した。ロイドは、苦しみだしたアマンダを見殺しにする。 アマンダの葬式にメリッサ・レフトリッジ(アマンダ・ペイズ)と名乗る美女が現われた。アマンダに面識はないが、自分の論文を褒められたことがあるという。 ジョンはフィアンセのシャノン(タリア・バルサム)とともに実家を訪ねる。ずっと使っていなかった家は、床が腐り異臭がした。1室には個人宅にしては大規模な研究設備があった。 その夜、飼い犬のデュークが、床下から現われた触手に引きずり込まれる。 ジョンは、ヘモシアニンに詳しいメリッサを交えて資料の整理を始める。何かの飼育器の図面もあった。 やがて研究員たちも手伝いにやって来た。車で帰宅しようとした研究員の一人ネルはスイカの中に潜んでいた怪生物に襲われる。顔の皮膚に触手が潜り込む特殊メークが無気味。彼女は車ごと海に転落して沈む。 次に納屋でデュークに死骸を見つけたハートが怪生物に襲われた。メリッサは狂犬に噛まれたと言うようにハートを言いくるめる。入院した彼の血液中からは、ヘモシアニンが検出された。 メリッサはガラス瓶の中で無気味な生物が蠢いているのを見つける。彼女は誰にも言わず、その生物をロイドの元に届けた。メリッサは何らかの病気にかかっており、ロイドは薬と引き換えにアマンダの”子供”を見つけるよう命じる。 ハートの担当医によると、1年前にもヘモシアニンが検出された死亡患者がいた。それはアマンダが下働きに使っていたビルという男だった。 ジョンは、自分の血液にヘモシアニンを加えて実験し、生物が発生することを知る。母親もジョンの細胞を使ってアンソニーを作り出したのだ。 一方、ハートは病院を脱走していた。 メリッサはジョンに水中銃を突きつけ、ロイドにアンソニーを渡すよう迫る。彼女もヘモシアニンに冒されていた。 そこに巨大なタコ足が現われ、メリッサを襲う。ジョンたちが撃退するが、メリッサは腹と頬にエラができ、クリーチャー化して息絶えた。 ジョンたちは退去しようとするが、腐った床が崩れシャノンが水のたまった地下室に落ちてしまう。 彼女に怪物が襲い掛かるが、ロープで降りたジョンがなんとか救出した。階上にはハートもやってくる。だが、今度はシンディが引きずり込まれてしまう。 そこにロイドがアンソニーを奪おうと猟銃を構えてやってきた。 ジョンたちは電気でアンソニーを殺そうとする。電線を巻きつかせた餌を呑み込ませて電気を流す。 アンソニーはドロドロと崩れていく。最後の力でロイドを道連れにして引きずり込み、水中へと消えていった。 家の中にシンディは見つからなかった。ブラッドは地下室に無数の生物が蠢いているのを見つける。 シャノンもシンクから飛び出した生物に襲われるが、ジョンが退治した。 ブラッドは火薬を仕掛けるが、地下から這い上がって来たシンディとジョンがまだ中にいた。 慌てて戻るブラッド。3人が脱出すると同時に家は爆発炎上するのだった。 アマンダ・ペイズの情け無いエラ顔メークで有名な作品だが、個人的にはロッド・スタイガー、キム・ハンターのアカデミー賞俳優が、こんな映画に出演したことのほうがショックだった。ジョージ・ケネディといい、早すぎるアカデミー賞受賞は後が続かないのかもしれない。晩年に受賞したジェームズ・コバーンは、ある意味正解だったかもしれない。 それなりに見せ場を用意しているが、イマイチまとまりにも盛り上がりにも欠けるのが残念。脚本に5人もクレジットされているが、かえって収集がつかなくなったのではないだろうか。監督も二人ががりだし、製作中に何らかのトラブルがあったのかもしれない。 |