原題 ; LADY AVENGER(1987)
 監督 ; デヴィッド・デコトー
 脚本 ; キース・カゾレック、ウィル・シュミッツ
 音楽 ; ジェイ・レヴィ
 出演 ; ペギー・サンダース、トニー・ジョセフス、ダニエル・ハーシュ、ミシェル・バウアー
兄の仇を討つタフなヒロインを描いた作品だが、なにしろ監督のデヴィッド・デコトーはジム・ウィノースキー、グレイドン・クラークらと並び最低映画監督として名高い人物。本作も中身は薄くて展開は唐突。
カー・チェイス・シーン(これだって迫力があるわけではないが)を除けば素人の自主制作映画を見ているような気分になってくる。
出演者の演技や動作も、なんだかぎこちない。
ジェフとマリアのカップルが襲撃され、ジェフは殺されマリアは強姦され重傷を負う。
服役中だったジェフの妹マギー(ペギー・サンダース)は、葬儀のため看守つきで外出を許可された。彼女は、当時ヤク中だったジェフの罪をかぶって投獄されたらしい。
葬儀が終わるとマギーは犯人を捜すため墓地から逃走。デブの女看守は会葬者がいる中を平気で発砲する。
マギーは入院中のマリアを訪れるが、意識不明で何の情報も得られない。
続いてボーイフレンド、ケヴィンに会い、とりあえず一発。
二人でジェフたちが乗ったというボートを見張っていると三人のチンピラに襲撃された。
マギーはバットで反撃、三人を叩きのめす。
三人は、しつこく車で追ってくる。迫力のないカー・チェイス・シーンが続いた後、2台とも事故で停車中の車両に激突して爆発炎上するが、主人公も敵も無事だった。悪党の脱出シーンはなく、捨てゼリフだけがどこからともなく響く。手抜き印象のヘンな場面になっている。
その夜、病室が襲われマリアがナイフで殺される。
こっそり家に帰るマギー。脱獄囚に対する張り込みは全く行われていない模様。
マギーは隠してあった銃を持ち出す。義父ジャック(トニー・ジョセフス)の通報で警察が来るがバイクで脱出。
マギーは昨日の三人のアジトを襲撃。二人を殺し、最後の一人も犯人の名を聞き出した後射殺する。真犯人はレイ、マックス、JC3人の麻薬密売人だった。
その頃、犯人の三人はケヴィンを殺していた。動機は良く分からない。単なる見せしめらしい。
マギーはマックスとJCを船着場に誘(おび)き寄せて対決。JCを射殺、マックスの両膝を撃ち抜く。
再び自宅に戻ったマギーは、義父が母マリーの地所を奪っていたことを知る。
マギーは友人のアナリー(ミシェル・バウアー)にレイと会えるようお膳立てを頼む。
警察がマギーを逮捕したと思ったら替え玉で本人はバイクで逃走。この場面は唐突に出てくるが、前後の脈略がなく意味不明。
なぜか突然アナリーが犯人の情婦と知ったマギーは銃を突きつけて彼女を脅し、レイを誘き出した。
マギーはレイを火炎放射器で焼き殺す。黒幕は義父ジャックだった。
マギーはアナリーを人質にしてジャックに詰め寄るが、ジャックはアナリーを射殺して家に逃げ込む。
母マリーを人質に取るジャック。麻薬を奪い逃亡しようとするが、マギーは足に隠した銃でジャックを射殺した。
ジャックが全ての黒幕と判明してマギーは無罪放免となる。って逃亡して、これだけの騒動を起こしてお咎めなしっていうのは納得できない。
余談=無名俳優の揃った作品だが、唯一ミシェル・バウアーは例外。5つの芸名を駆使してB級ホラーを中心に数多くの出演作を持ち、一部マニアの支持を受けていたらしい。今回は主人公の友人にして犯人一味のほとんどと肉体関係を持つ情婦という重要な役どころなのだが、実際には全く活躍しない。結局3回あるヌード・シーンのためだけに出演している印象。ちなみに「映画秘宝」で彼女がスクリーミング・クイーンの一人として紹介された項目のサブタイトルは「私って露出狂?」だった。
レディ・アベンジャー