ナイト・エンジェル

 原題 ; NIGHT ANGEL(1989)
 監督 ; ドミニク・オセニン・ジェラール
 脚本 ; ジョー・オーガスティン、ウォルター・ジョスティン
 音楽 ; コーリー・レリオス
 出演 ; アイザ・アンデルセン、リンデン・アシュビー、カレン・ブラック、デブラ・ヒューアー
妖魔リリスの暗躍を描くB級ホラー。
ファッション雑誌「サイレン」編集長のジョセフが妻子とともにリリスに惨殺される。
出版社社長リタ(カレン・ブラック)は予定通りパーティーを開催。その席でクレイグ(リンデン・アシュビー)は、リタの妹クリスティ(デブラ・ヒューアー)を紹介される。
男たちはパーティーに現われた妖艶なリリス(アイザ・アンデルセン)に目を奪われる。
早速ロッドがお持ち帰り。だが、彼はリリスの幻覚の誘われてエレベーターに落ちて死に、二人をつけたケンもガラスが割れて重傷を負う。エレベーターの穴底にピョコンとスプリングが突き出している描写はちょっと変だが。
クレイグは、ケンからリリスが事故現場にいたことを聞く。クレイグがクリスティをデートに迎えに行くと、リタの家にはリリスが入り込んでいた。
翌日、リタはすっかりリリスの虜になっており、雑誌の表紙モデルも急遽リリスに差し替えとなった。
クレイグの周辺に狂信的な黒人女サディがうろつきだすようになる。
クレイグは、クリスティとベッド・インすると途中から相手がリリスに変わり、牙の生えた触手に襲われるという悪夢を見る。
明らかに編集部内の様子がおかしくなってきた。一方、クリスティはリタに家から追い出されてしまう。
クレイグがバーに行くと突然クリスティに誘われる。バーの奥では異形の者たちが儀式めいた乱交パーティーを行っていた。
そこに本物のクリスティがやってくるが、次元が違っているらしくバーは普通の状態に見える。
リリスはクレイグの胸を裂こうとする。誕生石のネックレスが魔除けの役割を果たし、クレイグは脱出することができた。
クレイグとクリスティが出版社に行くと、全員がおかしくなっており、リタは死んでいた。
襲ってくる社員たち。逃げまどう二人。クレイグはバットで殴られ気絶してしまう。ケンがクリスティを連れ去ってしまう。
クレイグはサディに助けられた。彼女はリリスを倒そうとしている霊能者だった。
リリスは自分の写真を雑誌の表紙にして、全国に邪悪を広める計画なのである。
リリスを滅ぼすには心臓を刺すしかない。
一方、クリスティは襲いかかるケンにクランク金具を突き刺して脱出する。再び襲いかかるケン。そこにリリスが現われる。
リリスはケンの胸に指を突き刺して殺す。サディは心臓麻痺を起こして倒れ込む。
クレイグは、サディに渡された短刀でリリスを刺そうとするが、あっさり手首をつかまれ彼女の術中にはまっていく。
クリスティの目の前でクレイグの胸に指を刺し込むリリス。だが、クレイグのクリスティに対する愛情がリリスにダメージを与えた。
モンスターと化して苦しむリリス。その隙をついてサディがリリスの胸に短刀を突き立てる。
リリスの身体は爆発した。血まみれのクレイグを抱きしめるクリスティ。サディは神に感謝を捧げる。
そしてクレイグとクリスティが眠るベッド。彼はまだリリスの悪夢に悩まされている。テーブルの上にはいつの間にかリリスが表紙となった雑誌が置かれているのだった。
リリスが妖艶な美女で、自分が雑誌の表紙となり、邪悪を世界に広めようとする。現在だったら、ネットで簡単に出来てしまうので始末に悪かっただろう。
残念ながら設定を上手くドラマに生かせていない。出荷される雑誌を差し止められるか、といった展開があれば、もう少し盛り上がったのではないかと思う。
無名なスタッフ、キャストの中で唯一知名度の高いカレン・ブラックは、中途半端なゲスト出演で、たいした見せ場もなく、いつの間にか死んでしまう。