原題 ; OBLIVION(1994)
 監督 ; サム・アーヴィン
 脚本 ; ピーター・デヴィッド
 音楽 ; ピノ・ドナッジオ
 出演 ; リチャード・ジョゼフ・ポール、ジャッキー・スワンソン、メグ・フォスター
このタイトルで劇場公開された作品というのが、ちょっと驚き。
ビデオは後に「オブリビオン」と改題されて再発売されたバージョンもあるらしい。
低予算のSFアクション作で、全体的に西部劇感覚で作られているのが特徴。B級の作品ではあるが、全体的にとぼけた味わいがあって意外と楽しめる作品だった。
舞台となるのは地球を数光年離れた星のオブリヴィオン(忘却)と呼ばれる町。
シルクハットに黒マントの葬儀屋ガウント(カレル・ストライケン)は死神と恐れられる存在。彼が現れると死人が出るという。彼が酒場に現れたので町民は戦々恐々。
今回不幸に見舞われたのは人望のある保安官ストーンだった。
リザードマン系のならず者レッド・アイ(アンドリュー・ディヴォフ)が町に現れ、ストーンに挑戦したのだ。ストーンは抜き打ちの勝負に敗れる。
サイボーグの副保安官ステル・バー(メグ・フォスター)も磁気場を変えられて動きを封じられ捕まってしまう。
レッド・アイは、オブリヴィオンを拠点に勢力拡大を狙っていた。
ストーンの息子ザック(リチャード・ジョゼフ・ポール)は放浪の山師。巨大サソリに襲われていたインディアンのブテオを助ける。
ブテオは、家族を殺されたうえ特殊なパワーを秘めた石デルコニウムを奪われて復讐を誓っていた。
二人のもとにガウントが現れ、父ストーンの死を告げる。
ザックとブテオはバスター(アイザック・ヘイズ)の酒場に立ち寄る。揉め事と流血が苦手なザックは、保安官になるのを嫌って町を飛び出したのだ。
二人はレッド・アイの部下と乱闘になるが、ガウントが現れると、ならず者たちは怖じ気づいて逃げていった。
助平なレッド・アイは雑貨店を経営する未亡人マティに目をつけた。マティが拒絶すると部下たちが店を荒らしていく。
ザックは父の遺産を探すためオブリヴィオンに戻り、保安官事務所に忍び込む。遺産はなかったが、留置場に閉じ込められていたステル・バーを助け出した。
ブテオはデルコニウムのペンダントからレッド・アイ一味の一人が仇であることを知る。
マティに弱腰を非難されたザックは、日系人の酔いどれ医師ヴァレンタイン(ジョージ・タケイ)を訪れる。
マティは酒場の主人ミス・キティから、ザックは共感力が強く倒した相手の苦しみを自分も感じてしまうことを知らされる。
一方、ブテオは酒場に乗り込み仇を取る。
だが、ブテオもレッド・アイの腹心ラッシュのムチに倒れて捕まってしまう。
援護しようとしたステル・バーも銃弾に倒れ、ドクの治療を受けるハメに。
ブテオはレッドアイ一味にムチ打ちの刑を受ける。痛みに共感してしまうザック。
ついに立ち上がったザックはレッド・アイ一味と銃撃戦を展開。復活したステル・バーの応援をえて一味を追い払う。
だが、マティがラッシュに誘拐されてしまう。
レッドアイは銃撃戦で片手を失ったが、すぐに再生する。
マティの誘拐を知ったザックは有志を募るが町民は知らんぷり、仕方なくガウント、ブテオ、ステル・バーの四人で荒れ地に向かう。
逃げ出そうとしたマティは足を撃たれ巨大サソリに襲われる。間一髪、ザックはマティを救出した。
ザックは、デルコニウムで強化したレッド・アイに倒されそうになるが、保安官バッジを目に付き刺して逆襲。崖下に落ちたレッド・アイは巨大サソリの群れに八つ裂きにされた。
生き残ったラッシュたち部下は仲間割れして姿を消してしまう。
ザックは保安官となってオブリヴィオンを守ることを誓うのだった。
レッド・アイに扮するアンドリュー・ディヴォフは「ウイッシュマスター」第1、2作で魔神ジンを演じた人。ガウント役のカレル・ストライケンは「アダムス・ファミリー」シリーズの執事リーチが代表作。
有名無名を含めてキャスティングがうまい作品。みんなそれらしくハマっている。「キラー・ウィンド」のメグ・フォスターも相変わらず異様に薄い目の色が人間離れした印象でサイボーグっぽい雰囲気を盛り上げている。
エンディングには続編の予告が入っている。おそらく同時に撮影してしまったのだろう。この続編は1996年に「OBLIVION2:BACKLASH」のタイトルで公開されたらしいが日本には紹介されていない。
スペースリザード3001宇宙の極道蜥蜴