原題 ; PHANNTOM OF THE MALL(1988) |
監督 ; リチャード・フリードマン |
脚本 ; スコット・J・シュネイド、トニー・ミッチェルマン、ロバート・キング |
音楽 ; ステーシー・ウィデリッツ |
出演 ; デレク・リデル、ジョナサン・ゴールドスミス、カーリー・ホワイトマン |
ガストン・ルルー原作による「オペラ座の怪人」のショッピング・モール版リメイク。 どういうわけか「オペラ座の怪人」のリメイクというかオマージュ作品は、本作を含め「ファントム・オブ・パラダイス」「ダークマン」と原作よりもクロード・レインズが主演した二度目の映画化のストーリーに基づいている。 まあ、トルコから流れてきてオペラ座に隠れ住む犯罪者というよりは、作品を奪われて醜い姿に変えられた復讐鬼というほうがドラマチックということなのだろう。 前半は怪人がモールの従業員を次々と殺すスプラッター、後半はヒロインの脱出やモール爆破を描いたアクション・ホラーとなっている。 B級ホラーに徹し、舞台も最新の建物なので本来の妖しい雰囲気はない。 やはりショッピング・モールという設定には無理があり、期待しないで見れば時間つぶし程度には楽しめる作品。 部分的に運営していて拡張の度に式典を開くモールという設定も理解しがたいものがあるが、アメリカではよくあることなのだろうか。 ミッドウッドに新しく作られたモールには怪人が出没し、警備員や従業員が次々と殺害されていた。 経営者ポスナー(ジョナサン・ゴールドスミス)は、せっかくのモールにケチがつくと事件を隠蔽する。 モールで働くことになったメロディ(カーリー・ホワイトマン)は一年前に恋人のエリック(デレク・デリル)を失っていた。 事故で片付けられたがメロディはイヤリングをした怪しい男を目撃しており殺人と信じていた。 メロディは、モールの状況に不審を感じて取材に来た記者ピーター(ロブ・エステス)と親しくなる。 ピーターは警備員の中にメロディが見たというイヤリングの男らしい者がいることを発見する。 イヤリングの男クリスは、ポスナーに雇われた殺し屋で、モール用地買収に反対するエリックを焼き殺そうとしたのだ。 メロディは送り主のないプレゼントが届いたり、駐車場で変質者に襲われたところを姿なき者に助けられたことから、エリックが生きているのではないかと思い始める。 メロディとピーターが、エリックの墓をあばくとやはり死体はなかった。 生き残ったエリックは焼けただれた顔を仮面で隠し復讐をしていた。 エリックはメロディを襲ったクリスの首をシャッターで切断、メロディを地下室に誘拐する。 エリックはメロディに地下で暮そうと迫るが、メロディの心はすでにピーターに移っていた。 メロディはピーターに助けられて脱出、市長のカレン(モーガン・フェアチャイルド)にエリックが爆弾を仕掛けたことを知らせる。 実は市長はモールの出資者でポスナーとグル、嫌がらせと勘違いして二人に銃を向ける。 そこにエリックが乱入して市長を窓から放り出す。 市長は階下のオブジェが突き刺さって即死。 ポスナーと対決したエリックは、バーナーでポスナーを焼き殺すが自分も炎上。 モールの吹き抜けを燃えながら墜落。 メロディとピーターは友人たちと展示品のバイクで脱出。 直後モールは爆発するのだった。 モール建設中にエリックがどこにいたかは不明。下水道にでも隠れていたのだろうか。 死体なしで事件の捜査や葬儀がどのように行われたか、など細部には多くの矛盾点が残る作品。 余談=市長役のモーガン・フェアチャイルドはテレビ・シリーズ「ダラス」で人気を得た女優らしい。映画の出演作はほとんどがB級以下。唯一知名度の高い作品がティム・バートン監督の「ピーウィーの大冒険」だが、カメオ出演程度の出番だった。 |