原題 ; RIDING THE EDGE(1989) |
監督 ; ジェームズ・ファーゴ |
脚本 ; ロナルド・A・サッパ |
音楽 ; マイケル・ギブス |
出演 ; ラファエル・スパージ、キャサリン・メアリー・スチュワート、ピーター・ハスケル |
クリント・イーストウッドとのコンビ作や「ロック・エイリアンの冒険」などのジェームズ・ファーゴ監督によるB級アクション。 サハラ砂漠の真ん中にある研究所でジョン・ハーマン博士は太陽熱エネルギーの実験に成功。だが、テロリストの攻撃を受け誘拐されてしまう。 犯人のボス、タレク(ジェームズ・ファーゴ)はジョン博士の息子マット(ラファエル・スパージ)に新発明のマイクロチップを運んでこさせるよう要求してきた。 諜報局のディーン(ピーター・ハスケル)はマットと家族に相談。マットは父を助け出すため協力を決心した。 ディーンと共にアフリカに飛んだマットは、現地のムーサ警部の協力を得て取引場所へと向かう。 マットは接触してきた犯人にマイクロチップを渡す。マットは父親の部下を見つけるが、二人の研究員がヘリから突き落とされ殺されてしまう。 マットが渡されたチップは偽物だったのだ。裏切られたと怒った彼はバイクで単身飛び出していく。敵のアジトは国境外にあるため、諜報局は公に手が出せないのだ。 マットは市場で売り子にからまれて慌てているところを、旅行者の学生マギー・コール(キャサリン・メアリー・スチュワート)に助けられた。 再び走り出したマットは転倒したはずみに、バイクに隠されていた本物のチップを見つける。彼は後を追ってきたマギーとともに敵のアジトを目指す。 フェリーでマットが襲われる。助けに入ったのは現地部族の若き長ローレンスだった。 ローレンスは海に落とされてしまい、逆にマットが助けることになる。ローレンスはマットを部落で歓待し、武器を与える。 マットは、テロリストとモスクの地下墓地で取引することにした。 取引に来た男はマットを捕らえようとするが、背後からマギーが刺し殺した。このマギー、格闘技の達人でもある。 そこにディーンが現れて二人に銃を向ける。彼はジョン博士の研究を長年にわたって盗んでいたのだ。マギーは、その事件を捜査している諜報員だった。 ディーンは駆けつけたムーサ警部に射殺される。マギーにも騙されていたと感じたマットは、ローレンスと共にテロリストのアジトがあるダムを目指す。 到着したマットはダムを爆破して水に敵のアジトを襲わせ、その隙に父ジョンを救出するという、どう考えても無茶すぎる作戦をたてる。 敵のキャンプに忍び込んだマットは父ジョンを発見、見張りを倒す。足を負傷しているジョンを背負って逃げ出すマット。 その時、爆破スイッチを持って待機していたローレンスが見つかり撃たれてしまう。彼は最後の力を振り絞ってスイッチを押す。 ダムは崩壊しタレクの部下たちは水に呑まれていく。バイクで脱出するマット親子。タレクはヘリで追跡する。そこにマギーとムーサ警部がヘリで現れ、タレクを撃ち殺すのだった。 マギーと抱き合うマットを見て「すっかり一人前だ」と感心するジョンのセリフで幕となる。 敵のアジトが不可侵国の国境内にあるため、政府機関が公に手を出せないため、素人である主人公に活躍の場が与えられる、という設定なのだが、ストーリーが進むにつれてどうでもよくなってくる。 民間人が勝手にやったことにするとしても、ダムを爆破したら国際紛争になるのではないかと思う。 このクライマックスを含めて全体的に迫力不足。特に主人公が単独行動を始めるあたりからが間延びして緊張感に欠ける。 「ナイト・オブ・コメット」のキャサリン・メアリー・スチュワートが、得意とする強いヒロインを演じているが、見せ場がなく残念。 主演のラファエル・スパージは大成しなかったが、大部屋俳優として活動を続け「インデペンデンス・デイ」「パール・ハーバー」などに端役出演したらしい。 どういうわけかテロリストのボスに監督のジェームズ・ファーゴ自身が扮しており、唯一の出演作となっている。特別に下手な演技というわけでもないが、悪役としては迫力不足。作品をスケールダウンさせる一因となっていしまった。 |