原題 ; SABOTAGE(1996) |
監督 ; ティボー・タカクス |
脚本 ; リック・フィロン、マイケル・ストークス |
音楽 ; ガイ・ゼラファ |
出演 ; マーク・ダカスコス、キャリー・アン・モス、トニー・トッド、ジョン・ネヴィル |
マーク・ダカスコスが、軍と警察の内部に巣食う武器密売組織と対決する元軍人のボディガードに扮したB級アクション。 1993年ボスニア、人質の救出活動に当たっていたマイケル・ビショップ(マーク・ダカスコス)は、突如乗り込んできた兵士が敵を皆殺しにするのを目撃。その兵士は旧知のシャーウッド(トニー・トッド)だった。シャーウッドはビショップにも銃弾を浴びせ、人質も射殺する。 3年後、生き残ったビショップは要人のトレントのボディガードとなっていた。 空港に降り立ったトレントが狙撃された。犯人はまたしてもシャーウッド。シャーウッドの位置を見切ったビショップが駆けつけると、すでに姿を消していた。 捜査にあたるのはFBIのキャッスル捜査官(キャリー・アン・モス)。 トレントは評判の悪い武器商人だったが、護衛としてのプライドを傷つけられたビショップは事件の真相を追究し始める。 さらにトレント夫人がビショップの目の前で狙撃されてしまう。ビショップは犯人を追い詰め、狙われたキャッスルを助けるために射殺する。 ビショップは、死んだ男が素人であり、真の狙撃者が別にいることを見抜いた。 キャッスルは、ビショップに興味を持ち彼の過去を調べ始める。 死んだ犯人は、トレント夫人のかっての愛人であり、FBI上層部は痴情のもつれで済ませようとする。 ビショップは銀行に忍び込み、防犯カメラの画像データを盗み出す。その防犯カメラは狙撃犯のいたビルの入り口を写しているのだ。 ホテルで敵の襲撃をかわしたビショップは、キャッスルと接触、画像データを拡大して狙撃犯がシャーウッドであったことを知る。 ボスニアでシャーウッドが殺した人質は、死の商人一味から武器を買っていたボスニアの軍人たちだった。 ビショップは情報提供者の”教授”から、軍のトーランダーが武器密売の黒幕で、自分の犯罪を知る関係者の抹殺を始めていることを知らされる。 キャッスルの指揮でFBIはシャーウッドと部下たちのアジトを急襲。ビショップとキャッスルはシャーウッドを追い詰めるが、後一歩で逃げられてしまう。 キャッスルは上司から、彼女たちが襲撃したのはFBIの施設でシャーウッドは拘留中だったと叱責される。その上司も犯人一味だったが、トーランダーに毒殺されてしまう。 一方、ベビーシッターが殺され、キャッスルの娘が誘拐された。 ビショップとキャッスルは救出に向かうが、目の前でトーランダーも狙撃されてしまう。 娘は無事保護したが、小屋にはシャーウッドによって爆弾が仕掛けられていた。 ビショップたちは地下室から脱出に成功。 シャーウッドは、ビショップが死んだものと油断して車で走り去る。 ビショップは狙撃銃でシャーウッドの頭を撃ち抜いた。 真の黒幕は”教授”だった。ビショップは、彼が犯人しか知らない情報まで持っていることに気付いた。 "教授"は、裏切ればキャッスル母娘の命はないとビショップを脅す。 背後から忍び寄ったキャッスルは"教授"を射殺。FBIの身分証を捨てビショップとともに去るのだった。 「キャンディマン」ことトニー・トッドの悪役ぶりは悪くないし、アクション・シーンの演出もそれほどひどくはない。 だが、脚本が弱く、ストーリーや人間関係が未整理で消化不良を起こしている。 唐突な印象を与える展開が多く、全体的には首をかしげざるを得ない出来栄えとなった。 余談=「マトリックス」以前のキャリー・アン・モスが子持ちのFBI捜査官を演じているのだが、なぜかインターネットのデータベースで本作を調べると、彼女はノン・クレジットのカメオ出演扱いで記載されている。準主役で本編のクレジットにも2番目に登場するのに、謎である。さらに調べると初期のテレビ・レギュラー出演作に「マトリックス」というタイトルのものがあるが、こちらはブレイクせず13回で終了したらしい。 余談その二=マーク・ダカスコスはハワイ出身でエキゾチックな雰囲気のアクション・スター。残念なことに代表作といえるほどの作品がない。強いてあげればテレビ版「クロウ」のシリーズだろうか。日本でも深夜に放送されたし、DVDも最終的には全話リリースされたらしい。最近は香港の「SPY N」、フランスの「ジェヴォーダンの獣」と出稼ぎ作が目立ってきた。 |