原題 ; SKINNER(1993) |
監督 ; アイヴァン・ナイギー |
脚本 ; ポール・ハート・ワイルデン |
音楽 ; コンタジョン |
出演 ; テッド・ライミ、トレイシー・ローズ、リッキー・レイク、リチャード・シフ |
次々と女性を殺しては皮をはぐ殺人鬼と、彼を追う謎の女を描いたスプラッター映画。 主演にサム・ライミ監督(「スパイダーマン」)の弟テッド・ライミと元未成年ポルノスターのトレイシー・ローズを配役したあたり、典型的なエクスプロイテーション映画といえる。 この手の映画は次々と殺戮シーンを描くはずだが、具体的な描写があるのは1ヶ所のみ。きっと予算が足りなかったのだろう。 作品的にも気色悪さはあっても、恐怖感には欠けている。 妙に凝った編集で出来の悪いアートフィルムみたいになっている部分もあるが、結局はフィルムの使いまわしで場面数を稼いでいるだけという印象。 ジェフとケリー(リッキー・レイク)のテイト夫妻が経営する下宿にメガネをかけたおとなしそうな男デニス・スキナー(テッド・ライミ)がやってくる。 一方、安ホテルに足を引きずる黒衣の美女ハイジ(トレイシー・ローズ)が宿泊する。彼女は部屋に入ると鏡を覆い、(多分モルヒネの)注射を打つ。 スキナーは、カバンを持って表に出ては売春婦を買い、ベッドに縛りつけて殺害していた。 ハイジは生き残ってスキナーを追跡している被害者だった。路上でスキナーが売春婦を襲った時、ハイジが現れて止めようとするが、殴られて気絶してしまう。 スキナーは、母親が死んだ時、異常者の父親が死体を切り刻むのを見ていた。成長した彼は、女を殺しては全身の皮を剥ぎ、それを被って喜ぶ殺人鬼となったのだ。 皮を被って町に出たスキナーは、その異様な姿に驚いて逃げ出した女性を追いつめて撲殺する。 ハイジがスキナーの捜索から戻ると、部屋にはホテルの支配人が忍び込んでいた。 支配人はハイジに興味を持ってつけまわし、恋人と勘違いしたスキナーの居所も探り当てていた。 スキナーの居所を教える見返りにハイジの身体を要求する支配人。ハイジに注射を打たれ倒れてしまう。 本性を現したスキナーは、ケリーを襲っていた。 ハイジがテイト家に着くと、ケリーとスキナーの姿はなかった。 ハイジはジェフに自分の本当の姿を見せる。髪は一本もなく顔の半分はただれていた。 スキナーが勤務先の工場にいると見当をつけたハイジは、ジェフに案内させる。 ケリーを縛りナイフを研ぐスキナー。そこにハイジが踏み込む。 二人が争っていると、不審に気付いてやって来た警備員が二人とも撃ってしまう。 なんとも唐突で盛り上がりに欠ける展開に唖然とさせられる。 足を撃たれたスキナーに対し、ハイジは胸と腹を撃たれて瀕死の重症。 スキナーは「精神鑑定を受けて2、3年もすれば釈放さ。これが終わりじゃない」とうそぶく。 続編製作を狙った展開、ということなのだろうが実際に続編が製作された形跡はない。 |