原題 ; STRANGE INVADAERS(1983) |
監督 ; マイケル・ローリン |
脚本 ; ウィリアム・コンドン、マイケル・ローリン |
音楽 ; ジョン・アディスン |
出演 ; ポール・ルマット、ナンシー・アレン、ルイーズ・フレッチャー |
地球に潜入した宇宙人の脅威を描いたSF映画。 1958年イリノイ州センターヴィルに宇宙船が飛来し、蒸発事件が相次ぐ。 そして現在、ニューヨークのコロンビア大学で昆虫学を教えるチャールズ(ポール・ルマット)のもとに元妻マーガレット(ダイアナ・スカーウィッド)が訪ねてくる。母の死でセンターヴィルに帰るので数日間娘のエリザベスを預かってほしいというのだ。 その後マーガレットは音信不通となり、チャールズは愛犬ルイを連れてセンターヴィルに向かう。そこにベティの母親アルマの事を知る者はいなかった。 ルイが行方不明となり、車も故障してしまう。酒場にいるところを襲撃され、辛くも逃げ出す。その時、怪光線を放つ宇宙人を目撃する。 チャールズがニューヨークに戻ると、自宅が荒らされていた。彼は政府機関である未確認飛行物体研究所のベンジャミン(ルイーズ・フレッチャー)に相談するが、相手にされない。 仕方なくタブロイド紙の記者ベティ(ナンシー・アレン)を訪問するチャールズ。 今度はベティのもとに化粧品のセールスレディを装った怪人物が現れ、同僚のアールが殺されてしまう。警察を呼ぶと死体は消えていた。 チャールズとベティが親密になったとき、突然マーガレットが帰ってくる。 マーガレットは地球を調査に来た宇宙人の一人で、帰還の日が近づいた。彼女は、娘エリザベスの幸せを考え、地球に残そうとしたのだ。 宇宙人の攻撃を逃れたチャールズとベティの前にベンジャミンが現れる。政府と宇宙人の間には密約があったのだ。 その頃、チャールズの母親の元にいたエリザベスが誘拐されてしまう。 チャールズとベティはセンターヴィルに向かう途中、宇宙人の情報を持つと言う男ウィリーと会う。 ウィリーは以前教会の地下で秘密基地を発見した。そのため妻子が青い球体にされ、宇宙人に誘拐されてしまったのだ。 ウィリーを同行してセンターヴィルに到着するとベンジャミンたちがいた。あと1時間で宇宙人はアメリカと取り決めた調査期間が終わり、宇宙に帰るというのだ。チャーリーとベティは拘束しようとするベンジャミンから逃走。エリザベスを見つけ出すが宇宙人に捕まってしまう。 二人が連れて来られた宇宙船内では出発前の演説中だった。隙を突いてベティはエリザベスを連れて脱出する。 だが二人は再度捕まってしまった。ベティと、彼女を助けようとしたウィリーは青い球体に変えられてしまう。 やがて宇宙船が現れ、宇宙人たちは地球人の変装を解き乗り込んでいく。 宇宙人の血を継ぐエリザベスは指から光線を発する能力を持っていた。彼女は、この力で閉まりつつあったハッチの動きを止める。 エリザベスとチャールズは離陸途中の宇宙船から飛び出す。 無数の青い球体が表れ人間に戻っていく。機密保持のため捕らえられていた人間たちが解放されたのだ。 ウィリーも家族と再会することが出来た。ベティも無事だった。 宇宙船は静かに飛び去っていく。 アメリカ政府と宇宙人の密約、とか「Xファイル」を先取りしたような部分もあるが、全体的には凡庸。キャスティングは悪くないのに生かされていない。ラストも安直で盛り上がらない。 余談その一=宇宙人妻役のダイアナ・スカーウィッドは、あまり強い印象を受けたことがないのだが、「ホワット・ライズ・ビニース」でも3番目にクレジットされている中堅女優。本作ではラジー賞ワースト助演女優賞のノミネートされてしまった。ノミネートそのものより、この程度の作品がラジー賞の選考対象となっていたことのほうに驚かされた。1981年の「愛と憎しみの伝説」でワースト助演女優賞を受賞済みだったので、狙われたのかもしれない。1986年の「サイコ3怨霊の囁き」と合わせて、この10年のワースト新人賞にもノミネートされた。ピア・ザドラのライバルか。ちなみに「愛と憎しみの伝説」は女優ジョーン・クロフォードの性格破綻者ぶりを描いた伝記映画で、ワースト映画賞6部門を制したつわもの(この10年のワースト作品賞を含む)。未見の作品だが、濃いドラマで一般の評価は意外と高いらしい。 余談その二=アカデミー賞女優のルイーズ・フレッチャーが、すっかりB級映画女優になってしまったのも寂しい。本作に似たタイトルの「スペースインベーダー」ではラジー賞ワースト助演女優賞にノミネートされている。ちなみにナンシー・アレンは出世作「殺しのドレス」でラジー賞ワースト主演女優賞にノミネートされている。あのくらい評価された作品なら、逆にワーストに選ぶ人がいても不思議はない気がする。 |