原題 ; UNINVITED(1988) |
監督 ; グレイドン・クラーク |
脚本 ; グレイドン・クラーク |
音楽 ; ダン・スライダー |
出演 ; トニー・ハドソン、エリック・ラーソン、ジョージ・ケネディ、アレックス・コード |
以前に「死霊のかぼちゃ/13回目のハロウィン」を紹介した最低映画監督の一人、グレイドン・クラークによる小型モンスター映画。 研究所から正体不明の腫瘍を持った猫が逃亡。間抜けなデザインの防護服を着た男たちが出動するが、猫の鋭い牙で返り討ちにあう。 次に研究員自ら銃を手に追うが、やっぱりやられる。 ウォルタ−・グラハム(アレックス・コード)は二人の美女スザンヌ、ボビーとディナー。彼女たちをカリブ海のクルーズに誘う。 そこにやって来たマイク・ハーヴィー(ジョージ・ケネディ)とアルバート(クルー・ギャラガー)がグラハムを連れ出す。 グラハムたちは違法な証券取引で儲けていた。彼らはクルーザーで共犯者のダリルを殺す。 猫はガソリンスタンド強盗のトラックに乗り込み、モンスターに変身して強盗をかみ殺した。 グラハムは取引で得た現金を運ぶのに、女連れなら怪しまれないとふんでスザンヌたちを誘ったのだ。 スザンヌは、マリーナでナンパしていたマーティン、コーリー、ランスの三人組をクルージングに誘う。 波止場でスザンヌは猫を見つけて連れて行く。 クルーザーの雇われ船長レイチェルは、船の元の持ち主。いつかクルーザーを買い戻そうと考えている。 船の捜査令状が請求されていると知ったグラハムは急遽出航しようとする。マーティンたちは臨時のクルーとして乗船することができた。 夜になり船室ではパーティーが始まる。 操舵室の番をしていたアルバートは罪の意識を酒で紛らせようと酔っ払い、船を航路から外してしまう。彼はワインの隠し場所に潜んでいた猫の口から出てきたモンスターに襲われた。 マイクはアルバートが誤って海に落ちたと思い込む。 アルバートは行方不明なことに気づいたレイチェルは戻って捜すと言い出す。グラハムとマイクは、アルバートは泳げないのですでに死んでいる。航海を続ければ船を安く譲るとレイチェルを説得した。 生物学を専攻しているマーティンは、甲板に残されたアルバートの血液が異常であることに気づく。 レオタードでエアロビするボビーをグラハムが押し倒す。それを見たランスが殴りかかる。マイクがランスの腕を撃った。 コーリーが飛びかかり、マイクの銃を叩き落す。銃を拾おうとしたマイクの足を猫が噛み砕く。 一方、救難信号を打とうとしたレイチェルにグラハムが銃を突きつける。レイチェルがかまわず連絡しようとしたので、グラハムは無線機を撃ち壊した。 船を操縦しようとするグラハムに、レイチェルは消火器で攻撃。スザンヌが銃を取って形勢は逆転した。 マーティンは猫に突然変異が起こっており、噛まれるとそれが影響すると考える。猫の触れた食糧も汚染されていると判断した。 マイクは身体のあちこちがふくれて死んだ。 ランスが手を猫にかじられ、毒に侵されたと悲観。海に飛び込もうとして、止めようとしたボビーともども落ちてしまう。 マーティンとコーリーが飛び込んで捜すが見つからなかった。 みんな死んでいくと怯えるスザンヌ。 コーリーは猫の体外に出たモンスターを見て銃を乱射。パイプを撃ち抜いて蒸気を浴び、大火傷を負って死ぬ。 食糧も底をついた。猫はスザンヌを襲わなかったが、彼女は飢えて汚染された物を食べてしまい死んでしまう。 コーリーが撃った穴から浸水がひどくなり、船が沈み始める。 残った三人はボートに乗り移ることにする。金を取りに戻ったグラハムはモンスターに襲われて死ぬ。 レイチェルとマーティンはボートで漕ぎ出し、クルーザーは沈んだ。マーティンはしっかり金の入ったトランクを持ってきていた。 モンスターが飛びかかってくるが海に叩き落す。再び這い上がってきたモンスターを落としたマーティンは、モンスターが何か浮く物に捕まりたいのだと気づく。 二人はトランクの札束をバッグに詰め替え、トランクを海に浮かべた。 トランクにつかまるモンスター。ボートは離れていく。 レイチェルとマーティンは救助され、大金をせしめることができた。 海岸で猫を拾う少年が登場して映画は終わる。 確かにモンスターは、自分に危害を与えた者か、自分に優しくしてくれた人に危害を与えた者にしか、攻撃を加えていない。とはいえ、なんとも盛り上がらないクライマックスになってしまっている。 猫に寄生したモンスターが、一体どのような由来のものかも、描かれない。冒頭の研究所でも解明できていないみたいだし。多分、グレイドン・クラーク本人も考えていないのだろう。 最初のうちは猫の口からズルッと出てくるが、後半は成長して大きくなり猫の皮を着ぐるみみたいにかぶっているらしい。このあたりは少しだけ凝っているが、猫自身が変貌している場面もあったので、やっぱり良く分からない。 ラストシーンも不思議。海岸を歩いていた猫の中身を食べちゃったんだろうか。 沈んでいくクルーザーが、いかにもミニチュア然としているのは、まあご愛嬌。 全体的には、メチャクチャひどい出来の作品というわけではないが、演出が凡庸で緊張感に欠ける作品に仕上がっている。悪役側には、そこそこの俳優が揃っているのだが、皆たいした演技をしていない。 |