| 原題 ； THE UNNAMABLE(1988) |
| 監督 ； ジャン・ポール・ウーレット |
| 脚本 ； ジャン・ポール・ウーレット |
| 音楽 ； デヴィッド・バーゴード |
| 出演 ； マーク・キンゼイ・スティーブンソン、チャールス・キング、アレクサンドラ・デュレル |
| Ｈ．Ｐ．ラヴクラフトの「名状しがたきもの」が原作とは、名ばかりの作品。 一応、角が生えてて、爪のある猿のような手、蹄のある足を持つ魔物というのは原作をなぞっているが、さすがに全体的にはゼラチン状という設定は映像化できなかった。 ある館に「地獄の子」と呼ばれる魔物が監禁されていた。 屋敷の主が魔物に殺害され、聖職者たちは魔物を一室に封印、屋敷自体も閉ざしてしまう。 それから長い年月が経ち、オカルト研究家の学生ランドルフ・カーター（マーク・キンゼイ・スティーブンソン）の友人ジョエルが館の探検に乗り込む。 ジョエルは部屋を封印していた鎖を切ってしまい、魔物に殺される。 翌日、ナンパ目的の学生二人が女子学生二人を引っ掛け、クラブ入会式と称して館に連れ込む。 女子学生の一人はカーターの友人ハワード（チャールズ・キング）が想いを寄せるターニャ（アレクサンドラ・デュレル）だった。 ここで４人が魔物に襲われ、いちゃつく男女が狙われるというスプラッタ・ホラーの常道を踏襲する。ラヴクラフト原作なのに。 そこにジョエルの行方を捜すためカーターとハワードが到着。 カーターは魔道書ネクロノミコンを発見、魔物を封印する呪文を見つける。 一方、ハワードは生き残ったターニャを守って奮戦するが、ついに姿を現した魔物の怪力には立ち向かうすべがない。 そこにカーターの呪文による巨大なツタが窓を破って侵入、魔物を絡めとって消える。 ここの描写は、ちょっと拍子抜けするくらいにあっけない。予算の関係か。 とにかく助かった二人はカーターとともに館を去るのだった。 ラヴクラフトらしさなどかけらもないし、完成度の高いホラーでもない。 それでもホラー映画のいろいろな要素を盛り込んでいるし、ランドルフ・カーターが活躍したりするので、何となく憎めない作品になっている。 意外と好評だったのか、全く関係ない作品が「ヘルダミアン２／蘇る魔獣伝説」「ヘルダミアン３」としてビデオ・リリースされた。正規の続編は「ダークビヨンド／死霊大戦」と別タイトルがつけられる「沈黙シリーズ」方式だった。（実はビデオ会社が違うからにすぎないが） 余談＝ウーレット監督はこのシリーズ２作しか監督作品がないが、「ターミネーター」の第２班監督を担当した人らしい。 |
