製作 ; (1985)
 監督 ; 中村幻児
 脚本 ; 野沢尚
 音楽 ; 山崎稔
 出演 ; 宇沙美ゆかり、斎藤こず恵、中村繁之、蜷川有紀、村上里佳子、渡辺祐子、速川麻樹
脚本家・野沢尚のデビュー作。学園レディース版「七人の侍」。
希望ケ丘高校は半年に一度、生徒会運営費300万円を狙う柳生高校番長連合の柳生軍団に襲撃されていた。
柳生軍団の次の襲撃が2週間後に迫り、対策を講じる生徒会は空回りしていた。
傘を届けに来て話を聞いた生徒会長の広岡英(中村繁之)の妹、里未(斎藤こず恵)は用心棒を雇うことを提案する。
里美が紹介した一人目の用心棒はモトクロスの女性ライダー、阿川冴香(宇沙美ゆかり)だった。
冴香は少数精鋭でのゲリラ作戦を考え、知り合いのる。
二人目は冴香の知り合いでスタントウーマンのジャックこと鹿島淳子(村上里佳子)。
三人目は武器製造マニアのゴゼンこと箕輪巴(黒羽まゆみ)。
四人目は女子プロレスラー、カクダンこと森加奈子(ソフィー)。
噂を聞きつけた希望ケ丘高校退学生のスケバン、カミソリ・マキこと寺尾マキ(速川麻樹)が五人目として加わった。
用心棒の成功報酬は一人二万。
この五人にパソコンが得意な里未が加わる。七人目は援交女子高生コマチこと若原小町(渡辺祐子)が情報収集役として選ばれた。
七人はマドンナ軍団となり、里美のシミュレーションを元に生徒たちの特訓を開始した。
そしてついに襲撃の日がやって来る。生徒たちが待機する学園にオートバイに乗った柳生軍団が攻め込んできた。
まずコマチの爆弾が炸裂、続いてペイント弾で攻撃。驚いた柳生軍団は退却していく、って単に柳生軍団が弱すぎるだけで腰砕け。
この失態に柳生軍団の総帥、豹の目(蜷川有紀)は激怒する。
戦勝祝いに祝杯をあげるマドンナと生徒会。高校生がビールを飲む場面があるのに時代を感じる。
だが、一年前に豹の目がリンチ殺人を行なうのを目撃していた冴香は、これで終わるはずがないと感じていた。
予想通り報復が始まり、マドンナたちは次々とリンチにあっていく。
ゴゼン、コマチ、カクダン、ジャックがやられ、マキが拉致されてしまう。
豹の目は300万と引き換えにマキを返すという。
生徒会は震え上がり「見事などんでん返しよ。クリスティも真っ青だわ」って完全にハズしたセリフを吐く。
戦いを諦めた英は冴香に生徒会費300万を託す。
生徒会のコンピューターに人質は返すが、見せしめに希望ケ丘高校を襲撃するとメッセージが入った。
ついに英は戦う決意をする。
冴香は柳生軍団のアジトに着く。主力はすでに希望ケ丘高校襲撃のため出払っていた。彼女はアジトに残っていた連中と戦い、マキを助け出す。
一方、希望ケ丘高校には柳生軍団のバイクが殺到していた。
冴香はバイクで希望ケ丘高校を目指す。
戦闘が開始された。火薬や消火器を使って柳生軍団に対抗する生徒たち。そこに冴香が到着。
生徒たちはシャッターを閉めて立てこもるが、焼き切られるのは時間の問題だった。
怒ってコンピューターに八つ当たりする里未。
冴香は英を後部座席に乗せ校庭へと突入するが、あっさり転倒。柳生軍団に包囲されてしまう。
そのとき火薬が次々に爆発。1台のトラックが突入してきた。加勢に駆けつけたマドンナたちが車上から攻撃を開始する。
残り少なくなった柳生軍団が総攻撃を開始。激しい戦いの末、豹の目が一人残る。
冴香と豹の目の最後の戦いとなった。冴香のバイクと豹の目の車が正面から突っ込んでいく。
バイクを飛び降りる冴香。バイクと激突した豹の目の車は爆発炎上した。
こうして希望ケ丘高校生徒会とマドンナ軍団は勝利を収めたのだった。
これはすべて授業中に居眠りした英の夢。マドンナたちも豹の目もクラスメート。
そこに転校生として冴香が入ってくる。校庭には傘を届けに来た里未の姿があった。
ラストの授業シーンには時任三郎がカメオ出演している。
この作品自体の出来不出来は別として、こういうタイプのB級アクションは嫌いではない。
しかし、この脚本で城戸賞受賞というのは疑問を感じた。オリジナリティのある良作の応募がひとつもなかったのだろうか。
ストーリーもストレートといえば聞こえはいいが、まったくひねりがない。
特にラストの夢オチにはガックリさせられたが、これは脚本にはなかったらしい。
これだけの騒動で教師も警察もまったく関与しないのは、ものすごく不自然。それをごまかすために苦肉の策で夢オチにしてしまったのかもしれない。
アクションも今見るとかなりユルいが、当時の女性アイドル・アクションとしては、(志穂美悦子は別格として)頑張ったほうではないかと思う。
ただし予算は限られていたようで、クライマックスの戦闘は暗くて動きが良く分からない場面があるし、爆炎の代わりに花火を使っているのもビンボーくさい。
CGとワイヤアクションを駆使してリメイクしたら面白いかもしれない。

V・マドンナ大戦争