原題 ; WATCH THE SHADOW'S DANNCE(1986)
 監督 ; マーク・ジョフィー
 脚本 ; マイケル・マッギナン
 音楽 ; デイヴ・スキナー
 出演 ; トム・ジェニングス、ニコール・キッドマン、ジョアンヌ・サミュエル
ニコール・キッドマンがオーストラリア時代に出演した学園サスペンス。後に「シャドウ・オブ・ブロンド」という意味不明なタイトルに改題されて再リリースされた.。
アメリカでは「NIGHTMASTER」というタイトルになっているらしい。
高校空手部のコーチ、スティーヴ・ベック(ヴィンス・マーティン)は生徒に厳しい訓練を課していた。
女教師ソニア・スペイン(ジョアンヌ・サミュエル)はベックの厳しすぎる訓練に不安を抱いている。
ベックの弟子の中でもロビー・メイソン(トム・ジェニングス)とエミー・ガブリエル(ニコール・キッドマン)はトップを争っていた。
彼らは夜になると、ひそかに忍者装束でサヴァイヴァル・ゲームに興じている。ロビーがゲームのチャンピオンだった。
いたずらからペイント弾に落ちないインキを使った者がいたため、スペイン教師がゲームに気づく。彼女は、昼は空手、夜はゲームで成績の落ちた者はゲームをしないよう忠告する。
一方、問題児のダンカンがエミーを狙って挑戦してきた。
ベックは空手だけでなく剣道も達人だった。ロビーと稽古するが、同じ胴着なのでどっちがどっちか区別つかない。
ロビーはスペインの訪問を受ける。彼女はベックが元軍のスパイであることを話し、生徒が影響を受けすぎることを危惧していると言う。
ダンカンはロビーにからむが、達人であるロビーに敵うはずもない。大事になる前にスペインが止めに入った。
空手を学んでいるのに暴力衝動を抑えられなかったロビーは動揺する。
エミーは、ベックとダンカンが怪しげな薬品をやり取りしているのを見てしまう。それに気づいたベックは喋ったら殺すと彼女を脅す。
ロビーも薬のやり取りを目撃する。ベックはヤク中でダンカンが売人だった。ダンカンに罵られたベックは、彼を殴り殺してしまう。
空手の試合が開催され、ロビーとベックは勝ち進む。ロビーは五段の優勝者となり、六段のベックに挑戦する。
試合開始直前、ロビーはベックに、ダンカン殺害現場を目撃したと告げる。この主人公の行動は、よく分からない。
試合が始まりベックは本気でロビーに殴りかかっていく。警察が介入し試合は中止となった。
ロビーは警察にダンカンのことを聞かれるが黙っている。
帰路についたロビーは、ベックが運転する車に襲われた。オートバイで駆けつけたスペインがロビーを助ける。
ロビーはスペインが止めるのも聞かずゲームに向かう。
手裏剣を手にしてゲーム会場に乗り込むベック。彼は網が落ちてくるトラップを鉄扇で切って逃れたりしながら進んでいく。
ロビーが狙われていることに気づいた他の生徒たちが行動を開始する。
警察はベックに縛られていたスペインを救出し、学園へ向かう。
ロビーを追いつめたベック。そこにロビーの仲間たちが挑みかかる。だが集団でも敵わない。
屋上でロビーとベックは向き合って正座し、決闘を始める。ロビーに加勢しようとしたエミーは突き落とされてしまう。
格闘の末、ロビーはビルからジャンプして垂れ下がったロープにつかまる。後を追って飛び出してしたベックはロビーにしがみつくが力尽きて墜落死。
ロビーは、なぜか無事だったエミーと抱き合うのだった。
空手、忍者、剣道とスタッフには武道オタクがいたのかもしれない。
ただし、描かれるアクションはたいして迫力がないし、ストーリーにも面白みがなく、作品としてのインパクトは弱い。
カリスマ的なコーチとして登場するベックに、全くカリスマ性が感じられないのが致命的。主人公の行動にも納得できない点がある。
ニコール・キッドマンも、これといった見せ場はなく、彼女目当てに見た人はガッカリすると思う。
オーストラリア時代のニコール・キッドマン出演作ではDVDも出ている「デッド・カーム/戦慄の航海」が一番面白いのではないかと思う(全作見ているわけではないけど)。トム・クルーズは、これを見てキッドマンが気に入り、ハリウッドに招いたという話もあるし。
ちなみにこの「デッド・カーム」の原作は、オーソン・ウェルズが映画化に取り組んで撮影したが未完成に終わったこともあるらしい。
世紀末殺人ゲーム