原題 ; WORLD GONE WILD(1988) |
監督 ; リー・H・カッツィン |
脚本 ; ジョージ・ザマコーナ |
音楽 ; ローレンス・ジュバー |
出演 ; ブルース・ダーン、マイケル・パレ、キャサリン・メアリー・スチュアート |
監督は「栄光のル・マン」のリー・H・カッツィン、B級アクション常連のマイケルパレと名バイ・プレイヤー・ブルース・ダーンが主演し、ヒロインに。「ナイト・オブ・ザ・コメット」のキャサリン・メアリー・スチュアート、悪役にはロック・シンガーのアダム・アントという布陣。 もしかしたら意外な掘り出し物か、と期待させる顔ぶれだが「早く撮り終えて帰ろーよ」的出稼ぎ感覚に満ちた緊張感に欠けるオーストラリア製SFアクションだった。 核戦争で世界は荒廃し、雨は降らなくなっている。 そんな中でロスト・ウェルズの集落には泉があり、平和に暮していた。 そこにやって来たのがデレク・ハンター(アダム・アント)率いる白装束の武装集団。 殺戮の後、少年たち数人を連れ去る。デレクは少年兵を増強するため集落を襲い年少者をさらっていた。 集落にいた魔法を操ると噂される男イーサン(ブルース・ダーン)は、自分だけではデレク一味に対抗できないと、女教師アンジー(キャサリン・メアリー・スチュアート)とともに、かっての仲間ジョージ(マイケル・パレ)を探しに出る。 町でジョージを見つけたイーサンは、インチキ早撃ちショーに出ていたエクステインらを加えて集落に戻る。 ジョージたちは集落の人々に戦闘の訓練をしてデレク一味との戦いに備える。 ここら辺は「七人の侍」のお手軽なパクリと言うことなのだろう。 「マッドマックス」+「七人の侍」なら大ヒット間違いなし、と安易に企画したのかもしれないが、残念気合が足りなかった。 ジョージがアンジーに迫って股間を蹴られたり、裏切り者がデレクの下に行くが受け入れられず急所を切られて処刑される、などの下ネタエピソードが続く。 ついに白装束集団がバイクで集落に向かってきた。 ジョージたちは子供を隠して戦闘の準備をする。 戦いが開始され、次々と白装束を狙い撃ちするジョージたち。毒ヘビの仕込んだ落とし穴にはまる者もいる。 劣勢にたったデレクたちは退散した。 そこに泉が枯れてしまうというトラブルが発生。エクステインらは引き上げようとするが、アンジーのため残ることを決めたジョージを見て考えを変える。 イーサンが杖で石の山をつつくと、今度はそこから水が湧き始めた。 夜になってデレクたちの反撃が開始された。 戦闘の末ジョージとデレクの一騎打ちが展開、そこに爆発で火だるまになったエクステインが現れデレクに抱きついていく。見せ場も中途半端にデレクが焼け死んで戦闘は終了。 アダム・アントに悪役としての迫力が不足しているのも、この作品の欠点の一つ。 イーサンが、その炎を持って廃材で作った塔に火をつける。燃え上がる廃材。 すると空からは雨が降り始めるのだった。喜ぶジョージたち。 途中イーサンの殉死も暗示されるが焼け跡からノコノコ出てきて、能天気に映画は終了する。 |